「言葉かけ」ひとつで反応が変わる! 男の子を育てるときのフレーズ集

出産・子育て

2019/6/9

『あ~、また言っちゃったがなくなる 男の子ママの言葉かけ便利帳』(小崎恭弘/総合法令出版)

 子どもを育てていくことは、思っている以上に大変だと考えている人が多いのではないだろうか。だから結婚しても子どもを作らない夫婦も増えてきていると感じる。そして、母親の言葉で多いのは、「男の子の面倒を見るのが大変」というものだ。男の子は基本的に落ち着きがなく、やりたいと思ったことにまっすぐ進んでいく印象を持っている人が多いだろう。母親からすると男の子は自分とは価値観が全く違うから、何を考えて行動しているのか分からないと感じているのだ。

 よく街中やスーパーなどで、母親が息子のわがままに手を焼いている姿を目にすることが多い。駄々をこねる息子を怒りながら手を引いて歩いたり買い物をしたりしている様子を見ると、素直に大変だと感じる。そんな自分の息子との向き合い方を『あ~、また言っちゃったがなくなる 男の子ママの言葉かけ便利帳』(小崎恭弘/総合法令出版)では全7章の構成で解説している。1章では、男の子の特徴を解説し、2章からは具体的な言葉かけの例を紹介しているので、すぐにでも実行できるはずだ。

 初めに、息子がどのような考えで行動し、どんなところに意識を向けているのかを説明したうえで、母親がどうして怒ってしまうのかという部分も明らかにしてくれる。母親として「完璧」を求めてしまう気持ちは誰しも持っているし、そのために行動してしまうものだ。しかし、その気持ちは母親自らを苦しめてしまうことにつながる。男の子を育てる場合は、「うまくいかなくて当たり前」という気持ちを大事にしてほしいと著者は伝えている。「最初から完璧にはできない」という考えを持っているだけで、子育てのハードルは一気に下がるはずだ。

 息子が言うことを聞いてくれないと感じているのなら、2章で説明している、普段使っている言葉を少し変化させてみる意識が大切になる。基本的に男の子は母親に対して「マウンティング」を取りたいと思っており、自分の優位性を示したいと考えて行動している。そんな息子の気持ちに寄り添う意識を持ち、丁寧な言葉で話してあげてほしい。どうしても自分の言うことを聞いてくれない状況に、もどかしさから言葉がきつくなってしまうこともあるだろう。その場合は大抵、息子の心まで言葉が届いていない。だから息子は言われたことをすぐに忘れてしまい、同じことを繰り返す。そのため、本書では息子と話をするときには、できるだけ静かな場所できちんと目を見て丁寧に話すことが大切だと示している。

 また、子どもに対して「叱る」と「怒る」の違いについても指摘している。子どものすることに対して注意をすることが多いのは、父親よりも一緒にいる時間が長い母親だろう。男の子は自分の失敗を指摘されるのを嫌がるため、「もう、お母さんなんか嫌い!」と言うときもある。しかし、その際に母親は怒ってはいけないのだ。「怒る」という行為は感情の爆発であり、息子のため思う「叱る」とは別ものだ。ここまでの段階で、息子の躾のために怒っているのだ、という意見もあるだろうが、その行為にしっかりとゴールは設定されているだろうか。そして、子どもにも分かるような言葉を使っていたのかを振り返ってみてほしい。自分の気持ちばかりが優先してはいなかっただろうか。

 本書で伝えたい思いとは、「言葉はその人の思いを映す鏡」であるということ。だからこそ、息子のためを思って掛ける言葉は親子の信頼関係を今まで以上に強くしてくれるだろう。そして、その中で子どもがどのように育っていくのかを見守ることが何よりも大切なのだ。息子の暴走を何とかしたいと考えているのならば、本書を手に取って考えてみてほしい。

文=方山敏彦