SNSでも話題の「鬼弁」!パンクロッカー・TOSHI-LOWと長男との、弁当を介したやりとりに感動必至

エンタメ

2019/6/15

『鬼弁 強面パンクロッカーの弁当奮闘記』(TOSHI-LOW/ぴあ)

 いま、書店やSNSを中心に話題を呼んでいる弁当本、『鬼弁 強面パンクロッカーの弁当奮闘記』(TOSHI-LOW/ぴあ)をご存じだろうか。著者は多くの人を音楽で魅了する、パンクバンド・BRAHMANやアコースティックバンドOAU(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)のメンバー、TOSHI-LOW。“鬼”の愛称をもつパンクロッカーの彼は、優しく子煩悩な父親という一面も持ち合わせている。

 本書は、TOSHI-LOWがSNSに投稿してきた長男の弁当写真やエピソードを書籍化したもの。プライベートアカウントであったため、この“鬼弁”の全容が世間に公開されるのは初めてのことなのだとか。各ページには弁当作りをはじめた小学1年生から、6年生までの弁当が記録され、TOSHI-LOWや多くの友人・各界の著名人からのコメントが添えられている。

 実は、TOSHI-LOWの弁当作りは最初から順調だったわけではない。はじめの頃は栄養バランスを意識しすぎるあまり、「ひじきが虫みたいで怖い」と言われ、残されてしまうことも……。“子どもに食べてもらうためには”と探りながら、弁当作りについてイチから考え直したという。ライブやレコーディングの日も、打ち上げで朝方まで飲んでいた日も、創意工夫を凝らしながら、息子への愛情とおかずを弁当につめた。

 弁当作りも5年目に突入した2016年6月1日、いつものようにTOSHI-LOWが冷蔵庫を開けようとすると扉に1枚の紙が貼られていた。

“家のこと…いつもお弁当を作ってくれてありがとうございます。”
“全部のこと…ライブでいろんなところへいって、いろんな人とあって大変でしょうけど、みんなおうえんしています。がんばってください。”

 弁当作りの日々に対する「最高のお返し」は、TOSHI-LOWにとって何より嬉しかったに違いない。

 本書をページ通りに読み進めていくと、「色合いや詰め方が下手すぎて、思い出したくない」と厳しい自己評価をつけた初期の頃から、小学校の卒業式に送り出す瞬間まで……鬼弁が歩んだ6年間の歴史を読者が一緒に辿ることができる。

 TOSHI-LOWの妻である女優・ファッションモデルのりょうさんから寄せられた「弁当レビュー」や鬼弁を逆視点から語る「長男のひとりごと」もあわせて読むと、弁当を通して愛情を伝える父と、愛情を目いっぱい受けながら成長する長男の姿に思わず胸が熱くなる。ぜひ、自分の“お弁当ヒストリー”を懐古しながら読んでほしい作品である。

文=山本杏奈 写真=西槇太一