体脂肪率10%の医師が解説!50歳を過ぎてから痩せやすい体を作る方法

健康・美容

2019/6/12

『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド』(池谷敏郎/東洋経済新報社)

 個人差はあるものの、30代、40代と年齢を重ねるごとに難しくなるのが痩せることだ。だが、痩せるための方法は星の数ほど存在している、明らかにブームを起こすことを目的にしているような方法もあれば、単純に食事を抜くなど自分の体に無理をさせるだけのものなどもある。単に食べ過ぎを抑えるなら健康のためにもいいことかもしれないが、必要な栄養まで削っては体を壊してしまう。

 きっと細かい食事メニューを組んで毎日管理するのがベストなのだろうが、外食などを皆無にすることは現代人には難しいだろう。面倒な管理より、わかりやすいコツのようなものがあると実践しやすいのでは? そう考えていた筆者の目にとまったのが『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド』(池谷敏郎/東洋経済新報社)だった。

 一番説得力があるのは、著者である池谷敏郎氏が現役の医師であり医学博士で、50歳を過ぎても体脂肪10%であるという点だ。池谷氏の場合、30代の頃より50代の現在のほうが引き締まって素敵な紳士に見える。むしろ若返っているようにも思えるほど。そして、本書でもっとも感動したのは「おわりに」に書かれている池谷氏の実体験だった。

 それは、もともと痩せていたはずの自分が、多忙な生活を送るうちにいつの間にか太り、他人から「ぽっちゃり」認定されたときの衝撃から、無理なダイエットで体がぼろぼろになったという体験について書かれている。筆者も池谷氏と同様、無理なダイエットが原因で全身じんましんになった経験がある。皮膚科の診断では過労とストレスによるものだったが、本書を読んで実に恐ろしいことを自分の体にしていたことに気づかされた。

 本書のはじめの3分の1ほどは、無理なダイエットで引き起こしやすい病気や、内臓脂肪のリスクについて解説されている。どれも読んでいると恐ろしいと感じてしまうが、実は内臓脂肪は落としやすいのだという。これは、安心する人は多いのではないだろうか。

 ダイエットというとどうしてもカロリーに目がいきがちだが、実際にはそうではないことも理解できた。食事の管理は、適度な筋トレやきちんとした生活習慣とのバランスが不可欠だ。本書では、痩せやすい食べ方のコツや続けやすいオリジナルの筋トレも紹介されている。池谷式と呼ばれる筋トレはどれも数分程度のもので、通勤中の電車の中や座っているときなど、ちょっとしたときについでにできるトレーニングばかりなのがいい。

 問題の食事の管理だが、いろいろなダイエット本を見ると、きっちり計算して作られているレシピや、毎日のメニュー管理が必要なものが目立ち、実践はなかなか難しい。仕事をしている以上は、ときにはコンビニ食で済ませる場合がある人がほとんどだろう。本書では、コンビニ食を買う場合や、甘いものをとる場合のコツなども解説している。

 太りやすくなったり筋力が落ちたりすると「加齢」という言葉でどこか納得してしまう人は多いが、本書を読むと、実は加齢が原因ではなく、心がけが問題なのだということに気づかされる。つまり、老いを加速させるのは自分自身であるということだ。そして、池谷氏も本書で書いているように、見た目は重要である。それは周囲に与える印象もあるが、それに伴って自分自身のモチベーションにもつながるからだ。すっきり引き締まった体は健康の証拠でもあり、人生をより楽しむことができるということを教えてくれる。

文=いしい