「生理中?」「ブラ要らなくない?」…無神経に発言する無礼な人のトリセツ!

暮らし

2019/6/17

『無礼な人にNOと言う44のレッスン』(チョン・ムンジョン:著、幡野泉:訳/白水社)

 日本には「女は愛嬌」という言葉がある。筆者はこの言葉を聞く度、遠回しに「女は愛想よくしていないといけない」と言われているような気がして、心の奥がザワつく。近年は職場でも男女の扱いが平等になりつつあるが、女性であるがゆえにパワハラやセクハラなどで不自由な思いをし、自分の意見を押し殺している人はまだまだ多いように思う。『無礼な人にNOと言う44のレッスン』(チョン・ムンジョン:著、 幡野泉:訳/白水社)は、そんな現状を好転させるために役立てられる1冊だ。

 平等である意識が不足していると、職場だけでなく、家族や恋人間でも「女」という性について茶化されることがある。例えば、イライラしている時に「生理中?」と言われたことがある女性は、意外に多いのではないだろうか。本書には、こうした無礼な発言に対しても品よく笑いながら警告し、かつ自分らしさを貫くコツが記されている。

 著者のチョン氏は女性向けWebマガジンの編集長。彼女は、権威的で男性中心だったかつての韓国社会で自らが実践してきた“無礼な人へのトリセツ”を5章に分けて解説。全44個の対処法は、どれも悩める女性の心を明るくしてくれそうだ。

■無礼な人に効く返答のしかたは?

 踏ん張りながら生きている私たちの心をかき乱す、無礼な人たち。彼らは厄介なことに、自分自身に問題があることを自覚していない。だからこそ、無礼な人にはその言葉が暴力的であることを警告する必要がある。

 言葉の無礼さを指摘する時は、「第三者が聞いたら誤解すると思いますよ」「当事者が聞いたら傷つくでしょうね」と、客観的でドライに言うのがポイント。言葉をより客観視させたい時は、無礼な発言を聞き返すのも効果的だ。また、誰かが冗談で「あの人のそばにいれば、美人に見えるよ」と発言したら「あの人の顔がブサイクだって言いたいんですか?」と、天真爛漫に明るく聞き返してみよう。すると相手は無意識のうちに出た自分の無礼発言を振り返らざるを得なくなる。

 それでも相手が懲りない場合は、相手の発した不適切な発言を真似て聞かせてみるのもひとつの手だ。胸の小ささを恋人にからかわれ「どうしてブラジャーをしているの?」などと茶化された時には、「じゃあ、あなたはどうしてパンツを履くの?」と返し、当事者の身になって発言の理不尽さを考えてもらおう。

 無礼な人に出会うと、無理してでも関わりを絶ちたくなるもの。しかし、ただ避けるのではなく対処法を備えておけば、自分の神経を擦り減らさなくてもよくなる。他人の心を平気で傷つける人が胸を張っているような社会は、私たちの力で変えていこう。

■お節介な隣人を黙らせる2つの言葉

 世の中には「関心」という言葉を武器にして、他人の人生に首を突っ込んでくる人も多い。特に地方に住んでいると、隣人の視線や好奇心にうんざりすることも少なくない。実際、筆者も他人からの不必要な関心に悩まされているひとりだ。

 チョン氏いわく、そんな人に対する最善の対処法は、2つの言葉で上品に会話を終わらせることだという。まず、距離を置きたい時に使えるのが、「そういう風にお考えなんですね」というひと言。世代や経験により価値観が違う相手には耳を傾ける姿勢を見せつつ、会話を終わらせよう。

 そして、答えたくなかったり答える必要のない質問をされたりした時は「私なりに考えていますから」と、にっこり笑いながら返答してみてほしい。無礼な言葉を浴びせられると、つい自分も同じような言動を返したくなるが、それでは解決にはならない。無礼な人との距離は品位を保ちながらとっていこう。

 反論や異議の声をあげず、目の前に繰り広げられる理不尽な現実を飲み込むことは、韓国だけでなく日本でも美徳とされやすい。だが、そういった生き方であなたは本当に満足できるだろうか? 女性が生きやすい社会を築くには、やはり女性の声が不可欠。誰かの無礼な言葉に心をすり減らす日々は、これでもう終わりにしよう。

文=古川諭香