「他人に親切に」はクイズで鍛えることができる!? 回転させて考える“頭の体操”で想像力を伸ばそう

暮らし

2019/6/21

『メンタルローテーション “回転脳”をつくる』(池谷裕二/扶桑社)

「当事者の立場で考える」
「いつもとは異なる角度から物事を見る」
アイデアの広げ方としてもよく使われる常套句であるが、意識して実践しようとしてもなかなか難しいのが事実だ。

 そこで、そういった思考力を広げたり伸ばしたりすることに有効な“頭のトレーニング”を薦める1冊を紹介したい。書籍『メンタルローテーション “回転脳”をつくる』(池谷裕二/扶桑社)だ。タイトルにある“メンタルローテーション”とは、頭の中で物体をクルリと回転させ、あらゆる角度から見るための思考法。クイズ形式の問題に楽しく取り組みながら、客観視する力や他人の気持ちになって考える想像力を養うことができる。

■バラバラの漢字をルールに沿ってつなげる「漢字復元」

 さて、百聞は一見にしかず。さっそく本書より、まずは平面図を回転させる例題を紹介してみよう。以下の画像は、ある漢字をジグソーパズルのピースのようにバラバラにした「漢字復元」の問題である。ルールとして、同じアルファベットの辺同士はピタリとくっつけて、裏返してはいけない。

 なお、記事中で取り上げる例題の答えは、この記事の最下部に記載する。答えを先に見ないように、自分の頭の中で回転させながら考えてみよう(答えは記事の最後に)。

【漢字復元 超初級】

【漢字復元 中級】

【漢字復元 上級】

 平面図の問題を解くときに鍵となるのは「水平思考」の考え方だ。論理的な展開はさほど重視されない一方で、同じ現象をさまざまな角度から眺めたり、ひと目では別々に見える問題に共通項を見出す力などが試される。こういったトレーニングで頭をほぐしていけば、過去の経験を場面に応じて自在に転用する「機転」や、何かを創造するための「発想力」を身につけることにも役立つはずだ。

■ゴール地点で上に来るマス目を当てる「サイコロ転がし」

 続いては、立体図の例題に挑戦してみよう。取り上げるのは、スタートからゴールまでのマス目をたどった先で、サイコロのどの面が上に来るのかを当てる「サイコロ転がし」の問題。サイコロの目は1の裏が6、2の裏が5、3の裏が4になっているので、法則を頭の片隅に置きながら考えてみるのがコツ。

【サイコロ転がし 初級】

【サイコロ転がし 中級】

【サイコロ転がし 上級】

 立体図のトレーニングは、先ほどの「水平思考」だけではなく、問題を深く掘り下げていく能力に通じる「垂直思考」も試される。ポイントは、奥へ奥へと視点を頭の中で移動させてみるプロセスだ。このトレーニングに慣れていくと、物事が進んだ先には何が起きるんだろうと、段階的に物体の見え方を数珠つなぎにしていくことで、思考の視野を広げることもできる。

 さて、これらも含めて本書には、超初級・初級・中級・上級に分けられた計128問にわたる回転系の問題が収録されている。実際に挑戦してみると、超初級では笑いながら難なく解けていたものが、上級になればなるほど頭の奥の奥の方がなんだかむずがゆくなるような感覚を味わうことになる。ふだんあまり使わない刺激を脳が受けているのも不思議と実感できるのだ。

 ひとりで黙々と答えを考えるだけではなく、誰かと答え合わせをしながら和気あいあいとやってみるのも楽しいので、ぜひ本書を囲んで挑戦してみてほしい。

■あなたの「回転力」を採点してみよう! 各問題の答え

◎問題「漢字復元」
・超初級「日」
・中級「五」
・上級「曲」

◎問題「サイコロ転がし」
・初級「4」
・中級「6」
・上級「3」

文=カネコシュウヘイ