「寝るのが仕事になる職業を思いつくだけあげて下さい」世界的名門大学流“自分の力で考える力”の鍛え方

ビジネス

2019/6/24

『ハーバード・スタンフォード流「自分で考える力」が身につく へんな問題』(狩野みき/SBクリエイティブ)

■「考える力」がないと生きていけない世の中に!?

 先日、年金公助制度を現在の水準で維持するのは難しいと、金融庁がついに発表しました。目まぐるしく変わる時代のなか、「先の見えない不安」が日本全体を覆っている気がする人も多いのでは?

 一方世界でも人工知能(AI)の発達、スマートデバイスの拡張など、急激な変化が、経済や社会情勢に大きな影響を与えています。

 人工知能がさまざまな仕事をこなす時代。人間だからこそできる「複雑な」思考、問題解決能力が必要なのだと、『ハーバード・スタンフォード流「自分で考える力」が身につく へんな問題』(SBクリエイティブ)の著者・狩野みきは語ります。

 まずは「ダボス会議」で知られる世界経済フォーラムがかつて予測した、2015年・2020年に必要とされるスキルのランキングを見てみましょう。

2015年
1.複雑な問題解決力
2.人間関係調整力
3.マネジメント力
4.クリティカル・シンキング
5.交渉力

2020年
1.複雑な問題解決力
2.クリティカル・シンキング
3.クリエイティビティ
4.マネジメント力
5.人間関係調整力

(本では10位まで記載)

 上位に似たような能力が並ぶものの、順番が変動していることがうかがえますね。「人間にできることは何か?」と世界が考える時期に入っていると言っても過言ではないでしょう。

 日本人は考える教育が苦手だと言われます。大学などでクリティカル・シンキング(批判的思考とも訳される)を教えている著者が、この日本人の苦手をどう克服すべきか研究していた際、ハーバード大、スタンフォード大のプロジェクトや教育に出会いました。その教えをベースに、「考える力」を身に着けるトレーニングを紹介しているのがこの本です。本書には、考える力を伸ばすためのさまざまな問題が載せられています。

 と言っても堅苦しい問題ではなく、むしろ「ヘンテコ」な問題がたくさん。テレビ番組で見かけたらつい答えてしまうクイズのようなものばかりなので、思考トレーニングなんてと身構えてしまう人にもとっつきやすい本ですよ。紙とペンを傍らに置き、ドリルのように解きながら読むのがおすすめ。

■寝るのが仕事になる職業って何?

問題:「寝るのが仕事」と言える職業を思いつくだけ挙げてください。
*注意
・「寝る」とは「横になる(睡眠を取ることも可)」を意味するものとします。
・「仕事」とは報酬の発生する仕事を指します。
・この問題にも正解はありません。

 これは本書の中盤に出てくる、問題解決力を強化するトレーニング問題。「こんなのありえない」と思わず、考えてみましょう。ヘンテコなことが現実に起きるのが現代です。面白がって考えてみるのがこの本を楽しむコツですよ。

ヒント 一見マイナスに見えるもののメリットを考えてみる。

 寝ることは誰もがすることですが、「メリット(=利益)を生じさせれば、報酬を得ることはできそう」と、マイナスをプラスに変えて考えてみましょう。

(1)寝ることなしには生まれない商品などから考える
(2)寝ることから生み出せるものから考える

 本では思考の端緒としてこの2つが出されています。ポイントは柔軟性。先ほどありえないと断じないでと言いましたが、ナシをアリだと考えることが重要。考えを止めずに展開していくことは、アイディアを生み出したり、問題解決の糸口をつかんだりするのに重要だと著者は言います。

 ぜひ、自分なりの「寝るのが仕事」の職業を考えてみてください。

 私が気に入ったのは「軍資金500円で制限時間一週間、この条件で最大のハッピーになる方法を考える」という問題。こちらも正解はないので、気になった方はお試しあれ。

■アリだと考えればチャンスの時代

 人工知能を脅威に感じる時代。安定が得られない時代。ナシをアリだと考えて展開してみれば、「自分の力を試せる時代」「自分にしかできないことをするチャンスの時代」とも言えます。

 この本で楽しみながら考える力を鍛え、自信ある自分に変身しましょう!

文=宇野なおみ