「やめる」事は「できない」と諦める事! おしゃれも夜の仕事もやめる。もっと楽に生きる3つの事【やってみた】

暮らし

公開日:2019/6/27

『大人になってやめたこと』(一田憲子/扶桑社)

 小さいとき、若いときはできるだけインプットを多くして、「わかった」「できるようになった」という経験から成長した自分を嬉しく思ったり、より中身の詰まった人間に憧れたりするものですよね。もちろんできることが増えるというのはいくつになっても嬉しいもの。

 一方で、ある程度の年齢になってくるといろいろなことを詰め込みすぎるのではなく、自分のものさしで、自分に本当に必要なものとそうでないものを振り分けて、「やめるという判断」が、とても意味のあることだと気づくようになってきます。

『大人になってやめたこと』(一田憲子/扶桑社)にはそんな判断の参考に、著者がやめてきたことが紹介されています。いろいろなことをやめた上で自分にはいったいなにが残るんだろう…、自分が本当に大切にしていることは何なんだろう…と、自分を見つめなおすきっかけになる1冊です。

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 本書から自分が共感した、著者がやめた3つのことを紹介します。

1、張り切っておしゃれすることをやめる(P.76)

 若いときは周りの目を気にして、ファッション雑誌を片手に自分に似合う、似合わないというよりも「流行っているから」という理由で服を買っていた気がします。これはまだ若さがあれば乗り切れるところがありました。

 でもアラフォーとなった今、同じようにファッション雑誌を見て、素敵だなぁと思っても、なんとしてでも買いたいという欲望は全くなくなってしまいました。それはきっと、自分自身がなりたい姿がはっきり見えてきて、それに対して「これは似合わないし、違う」という感覚をかなり明確に持てるようになったからだと思います。

 流行りものを着たいというよりも、自分が好きなテイストのものを普段からさらりと着れるようになりたい。その中でどのように遊び心を利かせるかを考える方がずっと楽しくなってきました。

 著者も本書で書いているように、無理をしたおしゃれよりも、自分が好きな普通の服を着こなす方がずっと自分らしくいられ、自信を持って出かけられるようになりますよ。

2、じゃがいもを丸ごと茹でるのをやめる(P.96)

 皆さんはポテトサラダを作るとき、じゃがいもはどのように茹でますか? 一番おいしいのは、弱火でコトコト30分以上茹でたものなのですが、毎日こんなことをやっていられませんよね。

 本書の著者も今までずっと弱火でコトコト茹でていたようなのですが、ある日時間がなかったので皮をむいて4等分してから茹でてみたところ、5分ほどで茹であがり、とってもおいしかったんだとか。

 本来であれば「こっちが正解」とわかっていることも、「まあまあ正解」でなんとかなることを知ると、大変な方法は選ばなくなりますよね。これは人生の上でも言えることで、どうしても目標やゴールを決めがちですが、果たしてそこにゴールすることだけがいいことなのでしょうか。それよりも実は寄り道したところに人生をもっと素敵に輝かせてくれる出来事があるかもしれません。

 かたくなに前だけを見て突っ走るのではなく、そこに向かうまでの過程を楽しむ余裕も持ちたいものです。

3、夜、仕事をするのをやめる(P.132)

 20代のころは、終わりのない仕事を朝から晩までがむしゃらにやっていました。明日でいいことは明日にということができず、できるだけ前倒しでやっておきたかったのですが、そうすると本当にキリがありません。ゴールのないマラソンを毎日走っているような感じで、なんの楽しみもない疲れ切った毎日を送っていました。

 でも結婚・出産をしたことで生活リズムが自分都合だけでは決められず、強制的に仕事時間に終わりがくることで「夜は子どもと過ごす時間」と割り切れ、メリハリのある生活が送れるようになりました。

 著者も言っていますが、今までの習慣を変えるためには時間がかかります。でもえいやーで変えてしまい、自分のための余白の時間を持つことで気持ちがリセットされ、より日中の仕事に集中でき、きっと良い結果につなげていくことができるはずですよ。

 ここで紹介した以外にも、欠点を無理して直すのをやめる、「もっともっと」をやめるなど、わかっていてもなかなかやめられないことをやめるヒントが紹介されていて、自分にもやめることができそうな気持ちになれる1冊です。

「できない」ことを諦めたら、できることに専念でき、よりラクに生きられるようになる

 若いときは「なんでできないんだ」と自分を責めてしんどくなることが多々ありました。でもできないことを諦めて「やめる」ことは案外悪いことじゃないということを本書は教えてくれます。

 できないことをどうにかして頑張るよりも、その時間を使ってできることをもっともっと高めていく方が自分自身にとっても意味があり、今よりも気持ちがラクに生きられるようになるはずです。頑張りすぎな人たちへ、頑張ることを勇気を持ってやめてみませんか?

文=JUNKO