自分を「あと回し」にするのはもう終わり! 心理カウンセラーが教える「他人に振り回されない心理学」

暮らし

2019/6/25

 『ストーリーでわかる! 他人に振り回されない心理学』(オズとも子/大和出版)
『ストーリーでわかる! 他人に振り回されない心理学』(オズとも子/大和出版)

「誘われたり、お願いをされたりするとNOとは言えない」
「周りの人の反応や評価が気になってしまう」
「人に褒められたくて無理してしまう」

 こんなふうにいつも他人の目を気にして、疲れきってはいないだろうか? 『ストーリーでわかる! 他人に振り回されない心理学』(オズとも子/大和出版)は、「周りに迷惑をかけないように」「誰かに嫌な思いをさせないように」と気をつかいすぎて自分を見失っている人が、心をラクにして自由な生き方を手に入れるための本だ。

 本書は、カウンセリングに訪れた女性キャラクターと著者との対話を交えて進んでいく。その女性は著者から“ある物語”のストーリーを聞きながら自分の心を見つめていくことになる。物語の主人公は、ひとりの王女だ。親の跡を継いだ王女は、周辺国からの「米を分けてほしい」という要請にどんどん応えていき、自分の国民を困窮に追いやってしまう。反論をする国民がいれば牢屋に入れてしまう。

 王女は周辺国へ良い顔をするために、自分の国民を犠牲にする。この王国の話はまさに、自分の心の中の話だ。他人からの評価に気をとられると、自分の幸せは脇に置きがちになる。「いい子だと思われなくては!」と、頼みごとを断れなかったり、やりたくないことなのになぜか「私がやります」と申し出てしまったりする。

 それでストレスを抱えていくわけだが、反論する国民を牢屋に入れるのと同じように、自分の本音が出てくると閉じ込めてしまう。本音は「やりたくない」「休みたい」と弱音を吐くが、それに対して心の中の王女は「他の人はもっとがんばっているのにそんなことで弱音を吐くなんて!」などと否定する。

 本音を閉じ込めてしまうと、今度は「前向きに切り替えよう!」「ポジティブに考えよう!」と無理に考えようとする。でもそれは「ネガティブな自分を否定してしまっている」ともいえる。「ネガティブな自分はいなくなればいいのに!」と怒って牢屋に閉じ込めてしまうものの、「王国」である「自分自身」はどんどんキツくなっていくので、ストレスは消えないままだ。

 本音を閉じ込める行為を著者は「クラスのいじめと同じ構造」と分析する。子ども時代を思い出してみるとわかるが、そこには「いろんなタイプの子」がいたはずだ。運動が得意な子や苦手な子、勉強が得意な子や苦手な子、そして前向きな子と、そうでない子。心の中もそのクラスと同じで、前向きだったりそうでなかったりと、いろんな自分がいる。

 もし、そんな弱音を吐くクラスメイトたちを「いなくなればいいのに!」と牢屋に閉じ込めていっても、平和とはいえない。でももし、「あなたも私も、いろいろな子がいていいよね」「そんなときもあるよね」と言い合えるクラスなら居心地がいいだろう。「さまざまな自分がいるんだ」と受け入れられると、心はラクになっていくだろう。

 ここでは王国の物語の序盤までを説明したが、本書では、王国がその後どういうふうに復興していくかが描かれている。可愛らしいイラストとともにストーリーを追うことができるので、普段あまり心理学に関する本を手に取らないという人にも内容が理解しやすいだろう。あなたがもしいま「他人の目を気にしすぎて疲れている」なら、これからは、より自由に自分らしく生きていくためにあなたの心の「王国」を満たしていこう。

文=ジョセート