これから始まる蒸し暑い季節にピッタリの「夏めし」を作ってみた! レンジなどで叶える簡単レシピ

暮らし

公開日:2019/6/29

『さっぱり&スパイシー 夏めし100』(高橋雅子/池田書店)

 暑くなりジメジメした季節がやってくると、体力も食欲も落ちてしまいがち。そんな時こそ、食欲を刺激する美味しいものでスタミナをつけたいところ。そこで使えそうなのが、『さっぱり&スパイシー 夏めし100』(高橋雅子/池田書店)。本書は、夏に食べたい旬の食材を使ったメニューや、食欲増進、夏バテ防止などの効果が期待できる“夏めし”のメニューを100種類も集めたレシピ本。

 これから本格的に始まる長い夏を元気に乗り切るには、栄養のバランスのとれた食生活が不可欠。食欲がないとついつい食事することがおろそかになりがちだが、辛味や酸っぱさ、香味野菜、ハーブで食欲を刺激し、旬の夏野菜や鶏肉、豚肉などで夏バテしないよう栄養をしっかりと摂っていく必要がある。

 では実際にどんな夏めしメニューがオススメなのか。食欲を刺激しそうなものを早速作ってみた。

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■「魯肉飯」(本書pp.18~19)

 1つめは、じっくり煮込んだトロトロ肉が魅力の「魯肉飯」。厚手の鍋に米油をひき、にんにく、みじん切りにした玉ねぎを炒め、いったん取り出してから、角切りにした豚バラ肉を炒める。そこに酒、きび砂糖、醤油、五香粉、水を加え、弱火で30分~1時間煮込む。茹で卵を半分にして加えてさらに10分煮て、ご飯とともに盛り付ければ完成。

 トロトロの脂身と甘辛いタレがご飯に絡み、ボリュームは満点! ガツンとくる風味が疲れた体にも染み渡る。豚肉は疲労回復効果を持つビタミンB1が豊富に含まれているので、夏こそ積極的に摂りたい食材。横に添える香草は、本書ではパクチーを指定してあったが、(筆者は苦手なので)イタリアンパセリにしてみた。香りが強めの香草を選べば、比較的なんでも合いそうだ。香草は脇役だがこってり味に欠かせないサポート役を果たしてくれるので、好きなものをぜひ添えてほしい。

■「レンジタンドリーチキン」(本書pp.86~87)

 2つめは、作るのが面倒だと思い込んでいた「タンドリーチキン」をレンジで実現してしまうというレシピ。食べやすく切った鶏むね肉、ヨーグルト、醤油、トマトケチャップ、カレー粉、はちみつ、にんにく、塩をボウルに入れて混ぜ、30分置いておく。あとは耐熱皿に並べてラップをし、レンジで4分、裏返して1分半さらに加熱すれば完成。

 スパイシーな味付けが食欲を刺激する、大人も子どもも大好きな味。ヨーグルト効果なのか、レンジ加熱でも驚くほどしっとりと仕上がる。鶏肉には、「イミダゾールペプチド」という疲労回復と抗酸化作用を持つ成分が含まれている。また、カレー粉のスパイシーさが食欲もアップさせてくれるため、タンドリーチキンは夏にぴったりのメニューなのだ。

■「ゴーヤナムル」(本書p.127)

 最後は、ほどよい苦みが魅力の「ゴーヤナムル」。ワタを取って半月切りにしたゴーヤを、塩を加え沸騰させたお湯で茹でてザルに上げておく。ボウルに醤油、塩、にんにく、白ごまを混ぜ合わせ、ゴーヤとごま油を加えて混ぜればささっと完成。

 塩入りのお湯で茹でることで苦みが和らぐので、苦手な人でも食べやすい味になる。むしろこのほろ苦さがクセになるかもしれない。ゴーヤにはビタミンCが豊富に含まれているので、冷房や室内外の温度差による夏風邪対策にもなりそう。にんにくとごまが効いているので箸も進み、無理なく栄養を摂ることができる。作り置きしておけば、ちょっと小腹がすいた時や食事の小鉢、おつまみなどさまざまな場面で役に立つ1品。

 どのメニューも、味付けから栄養面まで「夏めし」の名にふさわしい、疲労回復や食欲増進に高い効果を発揮しそうなものばかり。作り方も難しいものではなく、本書を見ながら作れば失敗なく作ることができるはず。夏バテの対策を知識としてただ知っていても、体調を崩してしまってからでは食事も面倒になる。元気な今のうちからこの『さっぱり&スパイシー 夏めし100』で体をいたわり、暑い季節を乗り切りたい。

調理、文=きこなび(月乃雫)