新時代・令和が到来!あなたはどれだけ日本のことを知っていますか?

社会

2019/7/9

『古事記で謎解き ほんとにスゴイ!日本』(ふわこういちろう/サンマーク出版)

 令和元年を迎え、新しい時代が始まった日本。テレビでは皇室を特集したテレビ番組が一挙に放映され、皇室や日本について考えさせられた人も多いだろう。かくいう私もその一人で、意外と知らなかった皇室の歴史についてテレビを見て改めて学んだ感が否めない。本書『古事記で謎解き ほんとにスゴイ!日本』(ふわこういちろう/サンマーク出版)は新時代にふさわしく、日本のことについて深く知ることができる一冊となっている。

 著者によると、日本について知る上で欠かせないのが「古事記」だという。学生の頃、国語の授業で古事記に触れた人は多いだろうが、実際何について書かれているのかと聞かれると言葉に詰まるだろう。古事記は日本の根幹をなす重要な書物であり、古事記の上に現在の日本が成り立っていると著者は熱く語っている。

 まず驚いたのが、本書によると日本が現存する最古の国だということ。古代文明が発達したエジプトや悠久の歴史を持つ中国などの方が古い国だと思っていたが、「国」としての歴史は日本がもっとも長いとか。エジプトは1922年にイギリスから独立したので国としては存続97年、1949年に建国された中国は70年なのだ。一方の日本は、紀元前660年に神武天皇によって建国されたため、なんと2600年以上の歴史を持つことになるという。しかも、神武天皇が建国した日を記念したのが「建国記念の日」ということも知らなかったので大いに驚いた。はるか昔の出来事を、現在も祝日として祝う日本の懐の深さを感じるエピソードだろう。

 多くの国の国歌には戦争や争いについての歌詞が多いという。しかし、日本の国歌「君が代」は世界でも珍しく「あなたの代がずっと続きますように」という祈りの歌詞となっていて、1000年以上も昔の「古今和歌集」に出てくる和歌の一節となっているそうだ。しかも、君が代は世界でもっとも短い国歌だということも本書を読んで初めて知ることとなった。

 日本国において欠かせない存在が「天皇」だろう。「日本国の象徴」とされる天皇だが、そのもっとも重要な役割は「祭り(祈り)」だといわれている。ここでいう祭りとは神道の祭祀のことを指し、天皇は祭祀を行うための重要な存在だというのだ。天皇が宮中で執り行う祭祀は実に年間20件にも及び、この他に毎日行われる「毎朝御代拝(まいちょうごだいはい)」という祈りもあるという。天皇とは、国民の幸せを祈り続けている存在ということもできるだろう。別世界の存在だと思っていた皇室も、ぐっと身近な存在に感じられるのではだろうか。

 私たちの生活に身近な存在である神社と寺についても、改めてじっくりと向き合うことになった。神社と寺、どちらにも初詣に行く私でありながらその違いがうまく説明できなかったのだが、本書を読んでとてもクリアになった。神社は神道の流れで、あらゆるものに神様を感じ敬うもの。たとえば、水や火、海、山、田、米など、あらゆるものに神様が宿っているという考え方だ。一方の寺は仏教の流れで、お釈迦様や阿弥陀様などを信仰することで苦しみや迷いから抜け出そうという教えを広めている。日本ではどちらも大切な存在で、年の始まりの初詣やお宮参り、七五三、厄除けの祈祷など、人生の節目には訪れて神様に感謝の祈りを捧げるのが慣例となっている。

 本書では他にも祝日と祭日の違いについてや、日の丸の歴史、天皇家について、明治神宮や京都御所についてなど、あらゆる疑問が解き明かされている。日本人でありながら初めて知ることが多く、いかに自国について知らなかったかを思い知ることになるだろう。海外の人から日本のことを質問されて、うまく答えられない日本人が増えているという。東京オリンピックの際には世界中から多くの人が訪れ交流の機会も増えるはず。そんなときにも胸を張って「日本はね……」と説明できるくらいの知識は身につけておきたいものだ。

文=トキタリコ