「フォロワー=影響力」だと思ってない? モテクリエイター・ゆうこすが教える共感SNS

ビジネス

公開日:2019/7/14

『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』(ゆうこす/幻冬舎)

 SNSのフォロワーを増やしたい。SNSをしている人なら誰もが一度は思ったことがあるはずです。フォロワーを増やしたい一心でいろんなことを試してみたことがある人もいるのではないでしょうか。

 そんな人におすすめしたいのは『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』(ゆうこす/幻冬舎)という本です。本書は、モテクリエイターとして活躍するゆうこすがSNS発信のキモについて分かりやすくまとめています。

 ゆうこすは、AKB48の姉妹グループであるHKTの元1期生メンバー。元アイドルなら、影響力は大きいに違いない。はじめからフォロワー数も多かったのでは? 一般人ならそう思いたくなってしまうかもしれません。

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 ところが、実際はそうではなかったようです。ゆうこすがHKTを卒業してSNSをはじめた当時、ゆうこすには2万人以上のフォロワーがいました。そのため、イベントを開催したら十分動員できると思って、大きな会場を借りたそうです。そして迎えた当日、やってきたのは3人でした。

 この出来事で彼女が学んだのは「フォロワー数=影響力じゃない」ということでした。そこから彼女のSNS研究がはじまります。まずは、呼び捨てしやすい名前をつけて、唯一無二の肩書を作りました。一番大事なのはSNSのプロフィール作りです。

 SNSを一冊の本とみたてるゆうこすは、TwitterやインスタグラムなどSNSのそれぞれの特性や違いを理解してそれに合った投稿を意識しています。

まずは自分の思う通りの方法で続けてみて、あまりにライバルが多くて勝てそうにないと思ったら、戦場を変えてみる。届け方を変えてみる。ライバルが少ない戦場を模索して、開拓してみる。あるいは投稿の仕方を変えてみる。ターゲット層を変えてみる。肩書を変えてみる。こうした柔軟な対応ができる人だけが、変化の激しいSNSで生き残っていける。私はそう思っています。

 本書で感じるのは、ゆうこすがタダモノではないということ。本の帯でホリエモンこと堀江貴文氏が言っているように「ただのインフルエンサーではない」と感じるでしょう。彼女は現在、オリジナルスキンケアブランドや、旅×ファッション×LIVEを融合させたサービス、飲食店経営など幅広い分野で活躍しています。

 本書の文章は誰にとっても伝わる、分かりやすい言葉で書かれています。テーマも、10代や20代の人に向けたものです。そのため、彼女のことをよく知らない人の中には、元アイドルの女の子がSNSを使ってチャラチャラとビジネスしていると思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、ただの女の子がここまでできるでしょうか。

 ゆうこすについて調べてみると、対談記事が見つかりました。HKT48のメンバーだった彼女は北九州出身。卒業した高校は地元の進学校だったようです。子どもの頃から「モテたい」と思っていたゆうこすは、あまり学校の勉強に熱心なタイプではありませんでした。そんな彼女を変えたのは、好きな人の存在。同じ学校に行きたいという一心で受験日の2カ月から猛勉強をはじめて、志望校に合格しました。

 その対談記事から、彼女が結果を出すことができている理由が分かったような気がします。高い集中力と、短期間で大量の情報を整理しそれを吸収できる能力。本書の書き方は分かりやすいけれど、書かれている内容は決して簡単ではありません。ここまで研究して、そしてそれを体系立てて伝えることはタダモノには難しいでしょう。

 私はゆうこすのファンではありません。しかし、SNSを使っている一人として勉強になることがたくさんありました。

 結果を出している人は、きちんと考えて行動している。しかも、丸いのにしっかり尖っている。本書はそんなことが分かる一冊です。

文=いづつえり