「睡眠を軽視することは、人生を軽視しているのと同じ」! 「オヤスミスト」が教える睡眠の重要性

健康・美容

2019/7/27

『オヤスミストと眠れぬ吸血鬼(バンパイア) 最高の自分を引き出す7つの睡眠術』(石岡ショウエイ:作画、菅原洋平:監修/文響社)

 厚生労働省の発表によれば、平成29年の調査で「睡眠で休養が十分にとれていない人」の割合は20.2%であったという。あくまで統計ではあるが、国民の5人にひとりが「睡眠障害」に悩んでいる可能性があるのだ。それでも「多少、眠らなくても何とかなる」と考えている向きは少なくあるまい。だが、やはりこれは深刻に考えるべき問題である。『オヤスミストと眠れぬ吸血鬼(バンパイア) 最高の自分を引き出す7つの睡眠術』(石岡ショウエイ:作画、菅原洋平:監修/文響社)は、「睡眠障害」がなぜ深刻な問題なのかということや、その解決法などを漫画で詳しく教えてくれる。

 とある街で睡眠外来をメインにしたクリニックを営む心療内科医・真倉あさひは、不眠に悩み死のうとしていた佐々真一路を間一髪で救出する。あさひは佐々と、その場に居合わせた森という青年の様子から不眠の傾向を看破。彼らに不眠を解消するアドバイスを行なうことになる。

 本書は基本的に漫画のあとに、具体的な睡眠メソッドがコラムとして記述される形で進行していく。あさひは自らを「オヤスミスト」と称し、佐々たちに睡眠に対する考えかたやその方法論などを指南。その内容がコラムの「オヤス眠術」にまとめられるという流れだ。ではその「オヤス眠術」から、気になったものを紹介していこう。

●寝るのをあきらめる

 翌日に大切な用事があるのに、なかなか寝つけない……。ほとんどの人は、そういった体験をしたことがあるだろう。ムリヤリ眠ろうとした人も多いのだろうが、こういうときは「寝るのをあきらめ、起きてしまう」ことが効果的だという。脳の仕組み上、「眠くないなら、そこから1時間は眠れません」と本書では指摘。ムリに寝ようとしても焦りや苦痛を生むだけなので、眠くなったら寝ればいいと気持ちを切り替え、不要な苦痛を避けることから始めるのがよいとしている。

●昼、5分間サボる

 昼食後、眠くなるという人は多いはず。それも当然で、実は「人は起床から8時間後に眠くなるようにできている」からだ。午前6時に起きれば午後2時ごろ、つまり昼食後に眠気に襲われることになる。本来なら15分程度の仮眠を取るのが有効だが、学生や社会人ではその時間を確保するのも難しいのでは。そういうときは「お昼休みに5分間、目を閉じてください」と本書は勧める。5分では眠ったことにはならないが、「8時間後の眠気」を消すことはできるという。この時間帯を眠気なしで迎え、充実した覚醒時間を過ごせば、その夜はしっかりとした睡眠が得られるはずだ。

 本書では「睡眠の重要性」について、こう訴える。「睡眠に対していいかげんな人は、人生に対してもいいかげんな人です」──と。人間は睡眠が足りていないと、十分なパフォーマンスを発揮できない。それは不完全な自分を他人に晒してしまうことであり、人に対して誠実であるといえるだろうか。さらに感性も衰えるため、美しいはずのものが色あせて見えるようになる。「睡眠を軽視することは、人生を軽視しているのと同じ」なのだ。だから睡眠を改善することは自分の世界を変えるほどのことであり、時間も労力もお金も惜しむべきではないのである。本書により、その正しさを感じて睡眠の改善に取り組むことができれば、目に見える世界だけでなく、人生そのものの景色も変わってくるに違いない。

文=木谷誠