「三年差なんて大っ嫌い」…幼なじみ三歳差夫婦の幸せを描く『三年差』に胸キュン

マンガ・アニメ

2019/7/28

『三年差』(島崎無印/スクウェア・エニックス)

 三歳という年齢差。社会人になってからは、一歳差も三歳差もさして大きな違いはないと感じます。しかし、小学校ではとても年上に見えたし、中高では通学期間がカブることもなくなってしまい接点もなくなる、まさに未知の領域でしたよね。

 絶妙でもどかしい三歳という年齢差をテーマにしたラブストーリー『三年差』(島崎無印/スクウェア・エニックス)の2巻が、先日発売されました。同作は、作者の島崎無印先生が、SNSにアップした“三歳差夫婦”のショートストーリーが話題を呼び、書籍化された人気作品。

 幼い頃から、三歳年上の水沢和哉に恋心を抱いていた大石瑞希は、彼とのあいだにある“三年”という年月を歯がゆく感じていました。なぜなら、彼女が中学に上がると同時に和哉は高校に入学し、瑞希が高校に入学すると和哉は大学進学のために東京に行く、すれ違いの学生生活だったから。

 上京する和哉を「三年差なんて大っ嫌い 追いかけても追いかけても追いつけないんだもん」と、涙ながらに見送る瑞希。このセリフは、まさに三年という絶妙な年齢差を表していますよね。その後、見事に瑞希は初恋を実らせて和哉と結婚。作中では、息子の尚人とともに3人で暮らす水沢家のラブラブすぎる日常が描かれます。

「いってらっしゃいのチュー」のエピソードでは、出勤前の和哉を呼び止めて“いってらっしゃいのチュー”をしたい、と話す瑞希。

「私たちって幼なじみ同士の結婚であんまりそういうのなかったな…って ついつい三歳上のノリで接しちゃって だめ…?」
「ダメなわけあるか! どっからでも来い!」
「だからそういうノリじゃなくてね」

 その後、目を覚ました尚人に「なんでそんなとこでにらめっこしてるの?」と尋ねられ「ごめんね なんか私柄にもないことしちゃった 今のままでこんなに幸せなのにね」と和哉のほうを見る瑞希。そこですかさず、和哉が瑞希にKISS! とてつもなく甘いエピソードでした…。このように、同作の魅力はふたりの激甘な三歳差ライフなのです。

 単行本には、幼なじみから結婚に至るまでの軌跡をはじめ、大量の描き下ろし漫画が掲載されています。ずっと身近にいたからこそ、遠回りになってしまった和哉と瑞希の距離が縮まっていく様子は多くの読者を悶絶させること請け合い!

 そして、地味にアラサー読者の心に刺さるのが懐かしいアイテムの登場です。たとえば、1988年生まれの瑞希が高校生の頃に使っていたのは、当然、スマホではなくガラケーです。そのため、高校時代の回想にはガラケーが登場します。まだ“幼なじみのお兄ちゃん”だった和哉と撮ったプリクラを大事に電池パックの裏に貼る瑞希を見て、ノスタルジックな気持ちに浸るアラサーも多いはず。

 三歳違いの夫婦が織りなす、穏やかでラブラブな日々。夏のアツさもふたりの愛には敵わないかもしれません。

文=丸井カナコ