小島慶子「帰ったら夫に聞いてみます」――セックスレスの原因は、“アレの短さ”にあり?『中高年のための性生活の知恵』

暮らし

2019/8/11

『中高年のための性生活の知恵』(日本性科学会セクシュアリティ研究会/アチーブメント出版)

 世界でもっとも“セックスをしない国”といわれている日本。とくに中高年は、体の変化や男女の性欲差など、複合的な要因によって「性のすれ違い」を招く年代だそうです。先日発売された『中高年のための性生活の知恵』(日本性科学会セクシュアリティ研究会/アチーブメント出版)は多くの中高年が内に秘めている性の悩みに産婦人科医、セックス・セラピスト、臨床心理士などの専門家がさまざまな方法でアプローチしていく一冊です。

 7月29日には丸善・丸の内本店で「『中高年のための性生活の知恵』出版記念講演会」を開催。女性限定のイベントだったこともあり、妙齢の女性から酸いも甘いも経験したマダムまで幅広い年齢層の女性が集まり、会場は静かな熱気に包まれていました。

 イベントがはじまると、セクシュアリティ研究会のメンバー6名が、それぞれの専門分野に関する講演を実施。セックス・セラピストの金子和子先生は、セックスレスに悩む人々の傾向に変化が起きていることを指摘しました。

「セックスレスの人たちを集めて統計を取ったところ、20年前と4~5年を比べると、セックスレスの内容が変わってきています。かつては、男性が性行為をしないために生じるセックスレスが多かったのですが、近年では女性側がセックスを拒否するようになり『楽しくないことはしたくない』と主張する女性が増えているようです」

 金子先生は、中高年女性にとって「性行為が楽しくないもの」になっている原因は、彼女たちが経験してきたセックスの“時間の短さ”にあるのでは、と話します。

 同会がおこなった調査によると、34%の有配偶者女性が平均性交時間を「20分程度」と回答。次に多かったのは平均「10分程度」で24%、さらに6%の女性は「5分以内」と回答したそうです。なんと30%のカップルが10分ほどでセックスを終わらせている、という結果が得られたのです。

「前戯だけではなく前戯から挿入までフルコースで10分程度です。10分のセックスでは、女性の気持ちは高まっていない、もしくは高まりかけたかな、というタイミングで性交が終わってしまっている可能性が高いんです。また、女性の場合、あまり濡れていない状態での挿入は痛みを感じるので『早く終わってほしい』と考えて“オーガズムの振り”をしてしまう傾向があります」

 また、中高年女性が夫とのセックスを楽しめない理由は、その最中に限ったことではない、と金子先生は続けます。「子育てが大変なときに協力してくれなかった」「病気のときに支えてもらえなかった」など、パートナーに対する不満もセックスレスにつながっているのだとか。日頃の関係は、夜の営みにも影響を与えるようです。

「女性が『ノー』を示しているカップルでは、男性側が変わらなければセックスレスの解消は難しい。今日のイベントは女性限定ですが、中高年男性にこそ性教育が必要だと感じています」

 男女の体やパートナーとの関係に変化が訪れる中高年期は“性”について、しっかりと学ぶ必要があるのかもしれません。

 その後も中高年の女性と男性、それぞれの“カラダの変化”に関する発表が続きました。泌尿器科医師の今井伸先生が触れた「毎朝していた“朝勃ち”がなくなると、自分の男性機能に不安を覚えて泌尿器科に相談に来る男性が多い」という内容には、会場の女性陣も驚き。

 司会を務めたタレントの小島慶子さんも「朝勃ちが男性にとってそんなに重要なものとは思っていませんでした。帰ったら夫に聞いてみますね」とコメントし、笑いを誘いました。

 質疑応答では、更年期の女性ホルモン補充療法の効果についての疑問や、近年注目を集める「性的同意の重要性」についての質問が飛び、議論が白熱する場面も。まだまだ質問し足りないという空気が漂うなか、イベントは終了。とても有意義な時間でした。セクシュアリティ研究会の著書『中高年のための性生活の知恵』には、基調講演の内容をさらに深めた“中高年の性の知恵”が詰まっています。気になる方は、一冊手にとってみては?

文=とみたまゆり

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