食欲を刺激する香り!人気料理家・有元葉子さんの「にんにくづくし」のレシピ集!

食・料理

2019/8/13

『にんにくの料理』(有元葉子/東京書籍)

 にんにくの香りを嗅ぐと食欲が増す。特に、餃子をパンチのある味にしてくれるたっぷりのにんにくがお気に入りだ。本書『にんにくの料理』(有元葉子/東京書籍)には、人気料理家・有元葉子さんが紹介する絶品にんにく料理が多数掲載されている。写真の美しいレシピ本を眺めているだけで、食欲が刺激されることはまちがいない。

 意外と知らない人が多いかもしれないが、実はにんにくにも旬がある。年間を通じて保存できるにんにくが出回り始めるのが6~7月初め頃。まるで栗のようにホクホクとした食感と軽やかな香りの新にんにくの季節がやってくる。一般的なにんにくは長期間乾燥させて保存性を高めるのが特徴だが、新にんにくは水分が多くシャキシャキ食感とフレッシュ感を楽しむことができるのだ。新にんにくはそれほど香りが強くないので、そのまま焼いたり揚げたりしてにんにくそのもののおいしさを味わうのがポイントとなる。

 とても簡単な「新にんにくのオイル煮」はぜひとも作ってみたい一品だ。鍋に皮つきの新にんにくとオリーブオイル、ローリエを入れて弱火にかけ、にんにくが柔らかくなるまで20分ほど煮る。出来上がったら、器に鍋の中身をすべて盛り付け、パンをにんにくと一緒に食べたり、香りの移ったオイルにつけたりしていただく。お好みで赤唐辛子と粗塩で作った唐辛子塩をつけるとアクセントになるという。新にんにくに出会う機会はそうないかもしれないが、もし入手したら試してみる価値はあるだろう。

 著者曰く、「にんにくは火の通し方がポイント」。にんにくを食べて胸焼けするという場合、実はしっかりと火が通っていないことが多いそうだ。しっかりと火を通すためには、まずフライパンにオイルと刻んだにんにくを入れてざっと混ぜ、その後弱火にかけてゆっくりベージュ色になるまで加熱する。とにかく、水分をしっかりと飛ばすことが重要だ。また、切り方によって風味に変化をつけることができるのも面白い。縦半分や薄切り、みじん切りなど、料理に合わせて切り方を変えてみよう。

 パスタや煮込み料理などにも欠かせないにんにくは、料理の名脇役になってくれる。とてもシンプルな料理も、にんにくが加わるだけで風味がグンと増すから不思議だ。本書の中でもとりわけシンプルな「にんにくおかか焼き飯」は、忙しい日にぴったりの一品だろう。どこの家庭にもある材料だけであっという間にできてしまうのも魅力だ。用意するのは、温かいご飯とにんにく、太白ごま油、しょうゆ、削り節のみ。

(1)にんにくの皮をむいてみじん切りにし、油をひいて弱火でゆっくりと火を通す。
(2)にんにくがきつね色になったら一旦火を止め、ご飯を加えて余熱でよく混ぜ合わせる。
(3)再び火を付け、鍋肌にしょうゆをたらして全体を混ぜ合わせる。
(4)削り節をたっぷりと加えてご飯を焼きつけるように混ぜ、最後にさらに鍋肌からしょうゆをたらして香ばしさを出したら完成。

 この料理のポイントは、ご飯を炒めるというよりも焼きつけること。また、鍋肌にしょうゆをたらすことで香りとうまみを際立たせること。なんてことない普通の焼き飯のようだが、3人分でにんにくを2~3片使用するというパンチの効いたレシピだ。にんにくのおいしさに感動を覚えるだろう。ちなみににんにくが余ってしまった場合、糠床に入れると野菜がおいしく漬かるというのも目からウロコだった。また、にんにくは湿気を嫌うので、風通しの良い場所でカゴやネットに入れておくか、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保存すると長持ちするという。

 本書には他にも、「カリカリにんにくとナッツご飯」「鶏肉のガーリックグリル」「いわしのにんにく酢煮」「ズッキーニのにんにくパン粉焼き」といった絶品レシピが紹介してある。にんにく好きの人にはぜひ手にしてほしい一冊だ。

文=トキタリコ