3Pセックスを書いたコラムがきっかけ!? 在仏ジャーナリストが語る40歳からのエレガントな年のとり方

暮らし

2019/8/15

『フランスの女は39歳で“女子”をやめる』(パメラ・ドラッカーマン:著、鳴海深雪:訳/CCCメディアハウス)

 少し前まで「お姉さん」と呼ばれていたのに、ある日突然、街で「おばさん」と呼ばれたときのショック。街の人たちは何で判断して、呼び分けているの!?

 女性が年を重ねるときに必ず通る“中継地点”と、40代からのエレガントな年の取り方を模索し、書き記したジャーナリストがいました。パリ在住のアメリカ人で、『ニューヨーク・タイムズ』のコラムニストとして活躍するパメラ・ドラッカーマン氏です。

 その内容をまとめた著書『フランスの女は39歳で“女子”をやめる』(鳴海深雪:訳/CCCメディアハウス)の中で、彼女はこう語ります。

 40代に入って「マドモアゼル(お嬢さん)」から「マダム(奥様※礼儀正しく、一人前の女性というニュアンス)」と呼ばれるようになり、傷つき、ショックを受けたと。同時に、「40代って何だろう」という疑問がわいたといいます。

 人に話を聞いたり、文献や論文を読んだりして「40代」についてリサーチする中で、彼女自身の悩みも浮かび上がってきます。周りに「マダム」として扱われるほど、自分は大人として一人前ではないのではないかという悩みです。そもそも、「大人」って何だろう。自分は何も変わっていないのに、ひとつ数字が変わっただけで、20代や30代のように考えなしで生きられない立場に突然立たされた焦り。

「大人になった今、信頼できる友人はいる?」「自分も決して完璧ではないのに、子どもたちに“大人”として振る舞うのが正しいの?」「体の衰えや病気とどう向き合っていけばいいの?」「女として、これからの性生活はどうなっていくの?」など。本書では40歳を迎えて実際に直面したさまざまな疑問を、彼女なりに解決しながら生きる様が赤裸々に語られています。戸惑い失敗しつつも、自分の道を見つけていく過程は、彼女が外国人であることは関係なく、きっと共感できるはず。

 少し過激な話ではありますが、夫の40歳の誕生日のプレゼントに、人生初めての「3Pセックス」をする話を新聞のコラムに実名で掲載したことが、彼女の転機になります。話は夫の願望を叶えるために一緒にベッドに入ってくれる相手を探すところから始まりますが、これまで男性からの誘惑を受ける側だった彼女が、むしろ女性を誘惑する側になったことで、彼女自身のものごとを考える視点が変わっていくのです。

 密やかな話題を持っていることで人間関係に活気が出て、その後仕事も波に乗るなど、彼女を取り巻く状況が好転していくのは見どころ。「3Pセックス」というとただ淫らに聞こえるかもしれませんが、ここで大切なのはこの経験が彼女の人生でブレイク・スルーになっているという点。

 彼女は「粛々と中年になってしまわないジェスチャーとしても、このアイデアはいいと思ったのです。(中略)それに私もその頃、執筆していた子育て本に行き詰まっていて、一時的にそこから脱線する必要がありました」と語っています。性生活のテーマでは、期間限定の恋人を作って自分の時間を楽しむ60代女性の話など、フランス人ならではの生き方へのリサーチも興味深いものがあります。

 直面する問題を乗り越えていくことで、彼女は「大人とは何か」を見出していきます。本書では最後、「ようやく本来の自分自身になれた(中略)そういう感覚になれて初めて、40代は最高の年代だと思うのです」と締めくくられます。

 周りに「おばさん」と呼ばれることにショックを受けることはあるかもしれないけれど、本書を読んでパメラ氏がどうやって「大人」を最高だと思えるようになったのか知ってみるのはいい刺激になりそうです。年をとることへの考え方が変わり、これからの人生がもっと楽しみなものになっていくことでしょう。

文=三浦 小枝