子どもにお金との向き合い方をどう教えればいい? 親子で学べる金融リテラシーの基本

出産・子育て

2019/8/21

『10歳までに身につけたい子どもが一生困らないお金のルール』(三浦康司/青春出版社)

 自分の子どもにはお金に困らない生活を送ってほしいという思いを抱く親は多いはずだ。しかし、そう思っていても学校ではそういったお金の話を聞く機会はほとんどないと言っても良いし、自分の学生時代にもお金の勉強をしてこなかったため、子どもに正しく教えることができない人もいるはずだ。その場合、自分が教えるとしても、「どう教えて良いのかわからない」と壁に当たってしまう人は多いのではないだろうか。そんなときに、『10歳までに身につけたい子どもが一生困らないお金のルール』(三浦康司/青春出版社)が道しるべになってくれる。

 お金を自分がどこまで知っているのかを理解する機会が大切になってくる。もし、あやふやな状態で子どもに教えてしまうと、間違った知識を与えてしまうことになるだろう。だからここではまず親がしっかりと知識を身につけてから、子どもにかみ砕いて教えるという順序を作る意識が大切になってくるはすだ。本書では、子どもでもわかりやすいように1つずつお金に関する知識を教えてくれる。お金というのは、「幸せになるための手段」であって、「幸せそのものではない」と著者は語りかける。

 意識を変えてみると、自分の生活や未来にお金は必要なものだという実感が湧いてくるだろう。本書は全5章で成り立っており、まずはお金の基本や子どもに与えるおこづかいのルール決めに対してアドバイスをくれる。そして、2章からはお金の価値を知る使い方にも触れてくれている。本書は子ども向けではないものの、親と一緒に読みながらお金について学ぶ良い機会を与えてくれていると考える。今はお金の形が多様化しているので、ここでしっかりと子どもにも触れてもらえると安心できるだろう。

 しかし、こんな大切な勉強を日本の義務教育では教えてくれないのだ。海外の学校では子どもの頃からお金に関しての授業を行っていると著者は語っている。また、お金から子どもを遠ざける要因としてあげられるのは、祖父母世代の価値観だ。「子どもがお金の話なんてするものではない」という意見がまだ強いから、どうしても学びの場所が少なくなっている。しかし、本書ではお金を蓄えることはもちろんのこと、日々のやりくりをしながらお金を殖やしていく方法を身につけていくことが大事だと説いている。お金に対する強い意識が、その子の「生きる力」につながっているのだ。

 今の子どもは生まれたときから食べ物や洋服、おもちゃなどに恵まれた豊かな時代に育っているので、「苦労して欲しいものを手に入れる」という感覚に疎い。とはいえお金の価値をわかりやすく説明してあげれば、すんなりと受け止めて理解してくれるものだ。本書を読んでいて、私も子どもの頃にこの本を手に取っていれば、少し考え方も変わったのかもしれないと感じる。そして、この感覚は自分の子どもと接するときにも役立つだろう。

 本書で伝えたいのは、自分の親世代とは価値観も働き方も変わってきているから、今をしっかりと見つめながら未来にも目を向ける姿勢が必要だということと私は捉えている。そして、お金への理解を通してコツコツと生きていくことの大切さを教えれば、最終的に子どもたちの未来が明るくなるのではないだろうか。

文=方山敏彦