副業で4000万円稼ぐ現役会社員が指南する、生涯年収を最大化する方法

ビジネス

2019/8/24

『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(moto/扶桑社)

 あなたは生涯年収の目標を考えたことがあるだろうか。

 僕はない。目の前の仕事を必死にこなしていくばかりで、生涯年収から逆算する発想は持ち合わせていなかった。本書を読むまでは――。

『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社)の著者・motoさんは、自分が欲しいものを踏まえて、生涯年収の具体的な目標金額を定めている。その額に基づき、社会人になる前から戦略を立て、短大卒業から約12年間にわたって工夫と実践を繰り返してきた。本書はそのドキュメンタリーであり、転職と副業の教科書だ。

 motoさんは、改めて「安定」の定義を問い直す。これからの「安定」とは「企業への依存」ではなく、「個人で稼ぐ力」だという。よく言われることだ。しかしながら、いざ実践するのはむずかしい。

 本書は、「安定」に向けて具体的にどう動けばいいかが詳細に書かれているのが特徴だ。“自分で「無理だ」とブレーキをかける前に、「実現するためにはどうしたらいいか?」を手触り感が持てるくらい、リアルに想像するようにしています”というmotoさん。彼によって提示される「働き方」や「転職エージェントの使い方」、そして「職務経歴書の書き方」や「面接術」に至るまでの具体的なテクニックは見逃せない。

 例えば職務経歴書では、面接での「ツッコミどころ」をあえて用意することを勧める。motoさんの場合は、地方のホームセンターに勤めながら個人で採用メディアを立ち上げた経験について、面接官が具体的に聞いてみたくなるような書き方で盛り込んでいるとのことだ。このようにして「会いたくなる人材になる」テクニックは、motoさんが採用側のキャリアも歩んできたからこそ導き出されたテクニックではないだろうか。

 さらに注目すべきポイントは年収へのコミットだ。motoさんは「最も大切な転職の軸は何ですか?」と聞かれると、「年収です」と言い切っているそうだ。「印象が悪くなるのでは?」という不安もなんのその。誤解のないコミュニケーションの土台となり、むしろふわふわと転職活動をしている人よりも印象がいいとのことである。

 motoさんは現在副業で年収4000万円を稼いでいながらも、年収1000万円の会社員の仕事を辞めていない。理由のひとつには、「失敗したら辞めればいい」と気持ちに余裕が生まれることで、会社員として大胆なチャレンジをして大きな結果を出し、自分の市場価値を高めることにあるという。このように「還流」を生み出すことが、「転職と副業のかけ算」だ。

 まずは本書を手に取り、あなたの生涯年収を考えてみるところから始めてみてはいかがだろうか。

文=えんどうこうた