ヤンキー×少女の無自覚両思いが炸裂! 『女が苦手なヤンキーと少女の話』がもどかしい

マンガ・アニメ

2019/8/25

『女が苦手なヤンキーと少女の話』(丸美甘/スクウェア・エニックス)

 両思いのはずなのに、なかなかふたりの仲が進展しない、いわゆる“無自覚両思い”。ちょっと進展したかと思えば、また半歩下がる…一進一退を繰り返す無自覚両思いのカップルに、やきもきさせられた経験がある読者も多いことでしょう。

 現在ウェブマガジン『ガンガンONLINE』で連載中のマンガ『女が苦手なヤンキーと少女の話』(丸美甘/スクウェア・エニックス)は、読んで字のごとく、女が苦手なヤンキーと女子高生の交流を描いたラブコメディ。そして、彼らはいままさにTwitterを賑わせている、無自覚両思いカップルなのです。

 学年一の強面ヤンキーの熊田くんは、孤高の一匹狼として高校生活を送っていました。勉強は苦手でも「ちゃんと卒業しねぇと家族を悲しませる」という理由から、図書館で自習をする日々。まずここで、熊田くんが家族思いの“いいヤツ”であることがわかりますね。いいヤツですが、何ぶん女性が苦手。可愛くていい匂いがする同年代の女の子に話しかけられるとパニックに陥り、ものすごい顔でメンチを切ってしまうという残念なクセがあるのです。なかなかツラい性分をお持ちですね。

 そんな彼に恋心を寄せているのが、熊田くんと同じ学校に通う卯月さやかちゃん。ある日、図書館で本棚の高い位置にある本を熊田くんに取ってもらったことを機に、ふたりの交流がはじまります。

 読者のみなさんは「あれ? 熊田くんって同年代の女の子も苦手なんじゃないの?」と、首をかしげたことでしょう。じつは彼女、一見すると小学生女子にしか見えないため、さすがの熊田くんも相手を子どもだと思い込めば普通に接することができる、というわけです。

 幼い見た目のおかげで、憧れの熊田くんと話すことに成功したさやかちゃんですが、その見た目が災いして彼から“ちびっこ扱い”をされてしまいます。シャンプーを変えて「シャンプーを変えたんだけどこの香りどう…?」と、女っぽさをアピールしても「赤ちゃんってこんな匂いするよな」と赤ちゃん扱いされることも。

 熊田くんに女として見てもらうために、あの手この手でアピールをするさやかちゃん。すると、熊田くんの心境にも徐々に変化が訪れます。

「最近こいつといるとたまに…胸のあたりがむずむずするんだよな やっぱ何かの病気か…?」

 それって、恋の病ですよね? 無自覚両思いじゃん! と、思わずツッコんだ読者も多いはず。しかし、これまで女性と向き合うことができなかった熊田くんは、かなりの鈍感ボーイ。前途多難です。鈍感なだけならまだしも、熊田くんは自分の心に強いブレーキをかけていることが、以下のモノローグで判明します。

「おまえを女だって自覚しちまったら、俺は女が苦手だ お前と話せなくなりそうで嫌なんだよ」

“話せなくなるのが嫌”なんて、それは恋でしょ? ねえ、みなさんもそう思いませんか? はたして熊田くんはさやかちゃんへの恋心に気づき、心のブレーキを外すことができるのか、恋の行方が気になりますね。牛歩で進むふたりの恋。無自覚両思いが大好物、そんな人におすすめの1冊です。

文=丸井カナコ