原作者は「この映画が好き」と語り、西島秀俊も撮影秘話を披露。『任俠学園』決起大会をレポート!

エンタメ

2019/9/6

 義理と人情を大切にする昔かたぎのヤクザたちが、傾いた会社や学校を立て直す……。痛快な“世直しモノ”としても、読んでためになる“お仕事小説”としても楽しめる今野敏の「任俠」シリーズ。

 文庫本はシリーズ累計で64万部という大ヒットとなり、幅広い世代からファンを獲得してきたが、ついにその映画版が9月27日に公開に。映画化されるのは、荒れ果てた私立高校を再生するシリーズ第2作の『任俠学園』。西島秀俊×西田敏行のW主演というキャスティングも含め、公開前から話題を呼んでいる。

 文庫の出版元の中央公論新社では、映画化に合わせたシネマ&ブックのキャンペーンに向け、書籍を販売する書店のスタッフを招いた決起大会を開催。作品の関係者から、映画化にまつわる裏話も多数飛び出したので、その様子をレポートしよう。

原作者・今野敏も「私はこの映画が大好きです」と太鼓判

 この決起大会では、まず中央公論新社代表取締役社長の松田陽三氏が挨拶。高倉健主演で義理と人情の世界の『網走番外地』、実録路線の『仁義なき戦い』、哀川翔や的場浩司が大暴れしたVシネマなど、時代時代のヤクザ映画を振り返りながら、「やはり今の時代のヤクザ映画は、この『任俠』シリーズしかありません。今の時代にウケるコミカルさがありますし、『半端者と言われる自分たちでも社会の役に立てるんだ』というメッセージ性もあるんです」とコメントした。

 続いて「任俠」シリーズの生みの親、今野敏氏が挨拶。ヤクザが主役の話ということで、「『任俠学園』の映画化実現までには大変な苦労がありました」と振り返った。

映画化までの苦労を語った原作者の今野敏

「時代が時代ですのでコンプライアンスの問題が立ちはだかりまして、いくつかの話が浮かんでは消えました。最終的に映画化が実現できて、非常にうれしかったです。撮影の現場にお邪魔したときも『どっかでポシャるんじゃないか』と不安でしたし、試写会を見ても『ちゃんと公開されるのか』とまだ不安ですが(笑)。そして試写を見て真っ先に思ったことは、『あー、昭和だな』ということ。昭和のにおいがプンプンする映画です。もちろんヒットしてほしいのですが、ヒットしようがしまいが、私はこの映画がもう大好きです。見たことで好きになりました」(今野氏)

西島秀俊も“アドリブだらけ”の撮影裏話を披露

 そして映画『任俠学園』のチーフプロデューサーで、映画化を発案した株式会社ROBOT常務執行役員の安藤親広氏が乾杯の挨拶。その後の歓談の時間では、来場者と今野氏の対話の時間も設けられ、原作ファンの書店員たちは興奮の面持ちだった。なお歓談の合間には、W主演の1人の西島秀俊さんから以下のようなビデオメッセージも!

サプライズで流れた西島秀俊さんのビデオメッセージ。会場からは歓声が上がった

「(阿岐本組No.2の)日村という役は、僕がこれまで演じたことがない、昔かたぎで、ちょっと時代錯誤ぐらいな男です。『こういう男が、閉塞感のある今の時代を切り開いていくんだな』と感じさせられる存在でした。西田(敏行)さんの怒濤のアドリブを、共演者のみんながキレッキレで返していく名演にもぜひご注目ください!」(西島さん)

 チーフプロデューサーの安藤氏に話を伺うと、「W主演の西田さんも西島さんも、この阿岐本組っていうキャラクターを非常に気に入っていただいていて、『続きもぜひやりたい』と仰っていただいている」とのこと。映画のヒット如何では続編実現の可能性は高そうだ!

乾杯の音頭を取った映画『任俠学園』チーフプロデューサーの安藤親広氏

 そして、俳優として圧倒的な実力を持つ2人のアドリブだらけの共演は、原作ファンが見ても、文章とはまた違う面白さがあるはず。「原作も映画も、本質として伝わってくるものは同じだと感じましたし、原作ファンの方が映画を見ていただくと、そのメッセージがよりすとんと伝わるようになるはずです」(安藤氏)とのこと。書籍で「任俠」シリーズの楽しさにハマった人も、映画公開を心して待とう!

取材・文=古澤誠一郎