産業革命も、現代のグローバル化も本質は一緒なんです

公開日:2012/5/13

共産党宣言 -まんがで読破-

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : イースト・プレス
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:マルクス+エンゲルス企画・漫画 価格:400円

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著者マルクス&エンゲルスという時点で、おおよそどんな内容かは察しがつくかと思います。
まんがで読破の同シリーズで「資本論」というタイトルも出ているので、そちらも合わせて読んでいただくと理解が深まりますね。資本論の方はどちらかと言えば資本家の目線から経済的活動を解説した本になっていますが、こちらは労働者の目線から事の成り行きを追っていくものになっています。

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しかしどちらも興味深い内容です。マルクスが解説してみせた内容は今もこうして僕らの経済環境に染み渡っているのですからね。本書の時代は産業革命期にあり、人々が機械に仕事を取られていくという感覚がより敏感にあったのかと思われます。今でこそグローバル社会などと呼ばれておりますが、このときこそ劇的に人類の文明が変化を迎えた時期はないのかもしれません。そんな時期に生み出された「共産党宣言」。何か感慨深いものがありますよね。

今、日本の電機メーカーが軒並み赤字で従業員の削減を考えているようですが、本来会社っていうのは何のためにあるものなんでしょうかね。もちろん利益を生むためのもの、とひと言で済んでしまう話ですが、「会社のために会社がある」のか「人間のために会社がある」のかそのあたりがとても本末転倒な気がしてなりません。そんな感情のはけ口が共産主義という作中で言う「妖怪」を生み出したのでしょうね。

グローバル、グローバルとしきりに叫ばれている昨今ですが、その本質は「共産党宣言」や「資本論」に書かれていることで説明は事足りてしまいます。なので右往左往する前に、今何が起きているのかその基礎を勉強するには本書で十分でしょう。共産主義という「妖怪」が崩壊してしまった現代ですが、経済に対する不満は依然と残ったままでその力はどこへ行くか分かりません。今からでも遅くはないので、これからの世界がどうなるのかそれを見極めるために本書を手にしてみてください。


大航海時代を契機に経済の合理化は加速を見せる

労働という名の商品からは個性がどんどん消え去っていく

平等を突き詰めれば…

ヨーロッパに共産主義出現!

お金で動いた青年の裏切り (C)バラエティ・アートワークス/イースト・プレス