35歳女子がビジネススキルを駆使して1カ月でプロポーズに到達した戦略とは

恋愛・結婚

更新日:2019/9/7

『マーケティング恋愛4.0 1ヵ月でプロポーズさせた、私の戦略と軌跡』(中里桃子/大和出版)

 結婚は、「愛」とか「トキメキ」とか「見た目」とか、フンワリとした計測不可能な条件で成り立つと思っていませんか。だからあなたは結婚できないのかも知れません。

 結婚とは、いかにして顧客(彼)に商品(自分)を買って(プロポーズ)もらうか。実はマーケティングの発想で成立するものなのです。しかも「美人に限らず」、だれにでも再現可能なテクニックでもあります。

 これを証明してくれたのは、36歳にして、交際後わずか1カ月でスピード婚約を実現した、中里桃子さん。彼女は36歳まで、結婚願望がなかったわけではありません。30歳から結婚を意識して、5人もの男性と交際を重ね、結婚の機会を待っていたのです。

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 しかし、だれも彼女にプロポーズはしてくれませんでした。でも、結婚をマーケティングの枠で考えたとき、驚くほどスムーズに結婚できたのです。

 彼女が結婚までの失敗や実際の行動を惜しみなく書籍で披露してくれています。『マーケティング恋愛4.0 1ヵ月でプロポーズさせた、私の戦略と軌跡』(中里桃子/大和出版)は、今すぐ結婚したい人必読の書籍です。

■「だれを選ぶか?」入り口がすごく大事

 中里さんが「今の婚活の仕方ではダメだ」と思ったのは、35歳。30歳からのお付き合いは、「ゴールに繋がらない男性ばかりを選んで、ムダな努力をしていた」と気がついたことに始まります。

 そこで同時に、新卒のとき働いていた会社で聞いた言葉を思い出しました。

「採用の失敗は、教育では取り戻せない」

 実は彼女は、新卒で求人広告の新規開拓営業を行っていました。そのとき、業界でささやかれていたのが、「ミスマッチな人材を採用した場合、いくら教育しても望む人物には成長しない」ということ。

 つまり、今までの交際は、「付き合ったあとのルーチン(教育)が悪いのではなく、相手選びがコケていたのではないか?」。

 だから、「だれを選ぶか?」がとても大事だと再認識したのです。

■セオリーの逆で質の高い母集団を築く

 そこから彼女の行動は目覚ましく進化を遂げました。まず、相手選びの極意を商談の中から見つけました。商談ではプロセスが間違っていると受注(目標達成)につながりません。

 たとえば普段から採用に予算を取っていない会社にいくらアプローチしても、多くの場合努力はムダになってしまいます。

 相手が結婚に意欲があり、かつ「リソースを割く=時間を費やす、行動する」意思がある人にだけ、会うことにしたのです。

 では、どのようにして「結婚に意欲あり」の男性を見つけ出したのか。彼女は、マッチングサイトを利用しました。このようなサイトでは通常、「重い・長い」プロフィールはNGと言われています。「すぐ結婚したいという重い内容、長い自己紹介はダメ」ということです。

 しかし採用の現場では、「質の高い母集団形成」がすべて。嘘を書いて勘違いした人をたくさん募集しても効率が悪いのです。そこで彼女が実践したのは、見本的プロフィールとは、真逆のスタイル。

 自分はなぜこのサイトに登録したのか。そして、自分で会社を立ち上げたこと、理想のカップルの姿……など、かなりの長文を書き連ねました。このプロフィールを読んだ人からアプローチが来たそうです。

■既婚者は「即決断」した人ばかり

 結婚への意欲が高い人達を引きつけることに成功したら、次は初回面談(初デート)の約束を取り付けるフェーズに移ります。ここで彼女はあるハードルを設けました。

「初アプローチの2週間以内に初デート、3回デートのうちにお付き合い」

 今すぐにでも結婚して子どもが欲しい中里さんにとって、結婚につながらない男に時間を割くことは惜しい。しかも、既婚の男性複数名に話を聞いてみると、次のような言葉が返ってきたといいます。

「今の嫁さんとは出会ってすぐに結婚を意識した」「半年たって決められないヤツは、何年たっても決められない」などなど。決められない人はいつまでも、決められない。だから、早く会ってくれる人を優先しました。

 そして、初回面談(初デート)も一瞬たりともムダにしません。

■初デートは重要なヒアリングの場

 中里さんにとって、お客様との初回面談(初デート)は、相手の前提知識や商談背景を確認する作業。1回のデートがものすごく貴重なリサーチの時間です。そこで、初回の商談でヒアリングすべきことをまとめました。

(1)なぜ今回の面談(デート)に望んだのか
(2)どのくらいの緊急性があるか(結婚したいと思っているのか)
(3)決裁権はあるか(本人以外に結婚を判断するキーマンはいるか)
(4)これまでどのようなサービスを購入していたか(これまでの彼女とどれくらい付き合って、なぜ別れたのか)
(5)サービスについてどのくらいリサーチ済みなのか(両親など周囲に素敵な結婚をしている人はいるか)

 結婚に対してプラスのイメージをもっていて、自分と近い結婚観をもっている男性を選ぶために(5)の質問を設けました。「両親の関係をよく思っているかどうかは、重要なヒントになる」と仮説を立てたのです。

■時間は1時間でサックリ終える

 さらに初回面談(初デート)のセッティングもひと工夫しました。次の3つの要領で何人かと会いました。

・時間は1時間くらいの短さ
・お酒で酔わないために「昼デート」(1日2件入れてもよし)
・ヒアリングの5問をまず自分から話す

 デートは情報を引き出す場。お酒で酔っ払っている場合ではないのです。短時間で効率良くこなす。そして、ヒアリングしたい内容を、まず自分から話すというのは、心理学のテクニックでもあります。自分から情報提供すると、相手も自然と話しだしやすい雰囲気になるからです。

 このように、ビジネスのさまざまな手法を駆使した結果、中里さんは最愛の人にプロポーズを「してもらい」ました(自分からするのではないのです)。

 無事に初回面談(初デート)を取り付けた人たちの中から、どのようにして「尽くされて」「愛される」人物を選び出したのでしょうか。

 本書では、「お付き合いからプロポーズまでの『最速クロージング術』」など、さらに細かいテクニックも紹介されています。ぜひ手に取って、あなたも最愛の人を見つけ出してください。

文=武藤徉子