読むだけで、片づけのハードルが低くなる、心まで軽くなる、「まあ、いいか」とゆる~く構えるのが、片づけ成功のコツ

暮らし

公開日:2019/9/20

●多すぎるものを手放せば、ラクになる

 これまで3冊の書籍を出版している、整理収納コンサルタント&暮らしコーディネーターの瀧本真奈美さん。その待望の新刊『あなたを苦しめるものは、手放していい』(主婦の友社)が9月13日に発売された。今回のテーマは「手放すこと」。

「私はずっと『飾る』ことが好きでした。でも最近は、もう少しシンプルな暮らしもいいのかなと。もちろん、過去の『飾る』ことをめいっぱい楽しんでいた自分も大好きです。でも体力的にも精神的にも、より今の自分にフィットした、よりラクな暮らし方をしたいと思うようになりました」と瀧本さん。

瀧本真奈美さん

 たとえば、食器や調理器具が多すぎて使いづらいし、収納や片づけができなくて苦しい、たくさんある洋服をきれいに維持しようとすると手間もかかるしクリーニング代がかさんで苦しい…。そんなふうに、多すぎることで自分が苦しい思いをしているのなら、手放していい。

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 本書では、キッチンやクローゼット、リビングなど、瀧本さんが実際にものを手放したあとのすっきりした家の様子を紹介している。めざしたいのは、ものが究極に少ないミニマリスト的な暮らしではなく、自分が過ごしていて心地いいと思える、適度にものに囲まれた暮らし。

2015年ごろのキッチン

最近のキッチン
キッチンの同じ場所。お気に入りものをたっぷり飾る暮らしから、ものを手放してすっきりとした暮らしへ

●「自分で作ったルール」で自分を苦しめていない?

 また整理収納コンサルタントとして、多くの人たちの悩みを聞くうちに、片づけや整理収納、インテリアを頑張りすぎて、自分で自分を苦しめている人が多いことに気づいたという。

「“こうすべき”“~しなければならない”と思うと、どんどん自分を追いつめてしまいます。たとえばSNSのおかげで今は、いろいろな人の素敵な暮らし方が手にとるように見える。それで‟いつもきれいに片づけなくちゃ”、‟きちんとしたごはんを作らなくちゃダメ”と、自分で自分を苦しめるルールを作って、苦しめている人が多い気がするんです。でも、そのルールを手放してしまえば、もっとラクに暮らせるのに、と思うことも。自分が快適で、笑顔でいることを大切にしたいですよね」。

 瀧本さんは、お子さんふたりが独立して、ご主人とふたり暮らし。掃除や炊事を完璧にしなければと懸命になっていた時期もあったそうだが、最近は肩の力が抜けて、ゆったりとした気持ちに。ファッションやメイクなどのオシャレも、「自分の心地よさ」を一番に考えるとどんどんシンプルになってきたそう。

料理は、品数や手作りへのこだわりを手放して、「ラクに、楽しく」を大切にしたいと思うように

洋服も一時期に比べるとだいぶ減らしたのだとか。今はデザインや色みだけでなく、自宅で洗えるかも大きなポイント

●ズボラでOK。「まあ、いいか」とゆとりを持って、片づけを楽しもう

「暮らし方や生き方に正解はないから、理想にこだわりすぎないで。自分が笑顔になれる暮らしがいちばん!」と瀧本さん。本書には、肩に力を入れてがんばっている人たちに、「そんなにがんばらなくていいんだよ」というメッセージが随所にこめられている。「自分が苦しいと感じることは、手放していいし、しなくていい。ずぼらでもOK。私自身も“まあ、いいか”と考えることが増えてきました。ゆる~く考えたほうが、自分も家族も心地よく、軽やかに暮らせると思います」

『あなたを苦しめるものは、手放していい』(瀧本真奈美/主婦の友社)

 瀧本さんの今の暮らしに触れてみたいと思ったら、ぜひ新刊『あなたを苦しめるものは、手放していい』をチェックしてみよう。美しい写真にひかれてページを繰るごとに、自然に「片づけたい」という気持ちが湧いてくるだろう。