大安某日の、結婚式の舞台裏。4組のカップルの運命やいかに!?

小説・エッセイ

2012/5/15

本日は大安なり

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:辻村深月 価格:1,680円

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個人的には、辻村作品のなかで2番目に好きな作品(1番は『凍りのくじら』)。
花嫁をこっそり交代してしまった、そっくり美人の双子姉妹。最初から当日までトラブル続きのカップルを担当するウェディングプランナー。なんとか結婚式を阻止するために、灯油のにおいを漂わせながら式場をうろつく男、などなど。大安某日の結婚式場で本番を迎える4組のカップルと舞台裏を描いた小説です。

連作短編、ではありません。4つのお話がすべてリンクしているわけでもありません。ひとつの結婚式場を舞台にただ、視点だけがくるくると変わっていく。そのめまぐるしさはまさしく、結婚式当日の喧騒そのもの。あわただしさと、不安と緊張、喜びと興奮、そのすべてがまざりあって現場の空気を生み出しています。

みんながみんな、自分たちの事情で、ひそかな秘密を抱えている。その秘められた高揚が読んでる私たちにも伝わってきて、じりじりと気持ちが盛り上がっていくのですが、その筆致は叙述ミステリーの辻村さんならでは。途中にうっかりだまされそうになる仕掛けがほどこされていたり、別作品の登場人物がなにくわぬ顔で現れたり、ファンの期待を裏切りません。

しかも。

最後の最後までとにかく楽しい。わくわくする。そしてたどりつくのはまさに大団円という言葉がぴったりの結末。これぞエンタメ! と膝を打つ作品です。個人的にはウェディングプランナーのお仕事にかなり興味を持ちました。お仕事小説としても、結婚小説としても、胸キュン小説としてもおススメです。


大安吉日と言うからには、幸せな挙式とならねばならぬのです

登場するのはこの4組

見取り図がついているとそれだけで楽しいのは私だけでしょうか