リケジョのアラサー社蓄OLとノラ猫の「神ねこ様」。笑って泣ける毒舌4コマがおもしろい!

マンガ

公開日:2019/10/13

『サチコと神ねこ様』1~2巻(wako/祥伝社)

 自分の話に耳を傾けてくれる存在が「有難い…」と切実に感じるようになったのは、大人になり、社会に出てからだろうか。理不尽なことも多い世の中だ。時には、お酒を飲みながら思いきり毒を吐きたい夜もある。そんな時、ただ「うんうん」「辛かったね」と共感してくれる人や、自分のことを心配そうに見上げるペットの存在には、涙が出るほど勇気づけられることがある。

 女性向けニュースサイト「Pouch」にて連載中のwakoさんのマンガ『サチコと神ねこ様』(祥伝社)は、アラサー独身で社蓄のリケジョOL・サチコが、ある日突然現れたノラ猫の神様・「神ねこ様」と一緒に暮らす様子が綴られたオールカラーの4コマ漫画だ。

 ノラ猫時代に受けた恩を返すためにサチコのもとに現れたという猫の神様・神ねこ様。サチコにお礼をしたいと申し出るのだが、彼女がこんな事もあろうかと長年温めた願い事は

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1.今の仕事で年金もらえるまで働ける事
2.40才手前で宝くじ一等当選
3.旦那をはしょって子供くれ

の3つであった…! そもそもサチコは美人だが、タバコにコンビニ飯、残業徹夜の日々で、男にはモテないが、女に好かれる性格である。エコやロハスやオーガニックは大嫌い、まともなエビデンスがないエセ科学商法に対しても、毒舌が冴え渡るクールなリケジョであった。

 本書では、そんな1人と1匹の、笑えて泣ける毎日が、愉快痛快なギャグと共にテンポよく綴られている。神ねこ様は、一応猫の神様とはいうものの、サチコの仕事中は、家事を担当している。終わった後は、捨て猫の飼い主探しやノラ猫のエサやりに出向き「ボランティアかよ」と突っ込まれる日々を送る。また、神ねこ様がノラ猫時代、共に行動しており、悲しい最期を迎えた過去を持つ猫の神様・クロも登場。クロは偶然にもサチコの会社の同僚・イケメンの木下に拾われ、天使のように大事にされながら、立派な理系猫として育てられる。その様子にも心が和んだ。

 サチコは歯に衣着せぬ物言いをする女性だが、実は怖がりで、優しい一面もある。嫌がる神ねこ様をお風呂にいれ、イキイキするドSな面や、ツナ缶をマグロだと言い張り、神ねこ様を騙すこともあるのだが、猫にタバコが良くないと聞けば、空気清浄機をさり気なく部屋に置くし、振られた同僚には、ベ○セルクにドハマリさせて忘れさせようとする思いやりも持っている。また、髪型がいつも同じことを突っ込まれると「その日使える女子力は限られている 私ぐらいになると朝の化粧でほぼ使いきる」と、働き女子の偽らざる気持ちをズバリ言ってくれたところにも大いに共感した。

 ゆるくてとても可愛らしい神ねこ様に癒されつつ、冷静沈着な理系ツッコミや毒舌にも痺れる魅力的な作品だ。働く人間と神ねこ様たちの絶妙な相性の良さにニヤリとしながら、毒を吐きたい夜にぜひ読んでみてほしい。

文=さゆ