ムダな会議が多い会社は伸びしろがある? “働かない”ためにできること

ビジネス

2019/10/14

『働かない技術』(新井健一/日本経済新聞出版社)

 会社で働き始めると、驚くほど“本質ではないこと”に時間を割いていることに気が付く。ムダに丁寧に打たなければならないメールに始まり、自分がいてもいなくても同じに思える会議、つい細かいところが気になり、時間をかけてしまう資料作成…。残業ができなくなっていくこれからの時代、私たちは、こうした“ムダ”をなるべく排除し、今まで以上の成果を上げることを求められる。

 本書『働かない技術』(新井健一/日本経済新聞出版社)は、そのタイトル通り、ムダをなくすことで“働かない”ための考え方を紹介している。最近、こうした働き方に関する書籍は多数出版されているが、本書は、“どうすればムダを見つけられるか”というところから解説してくれる点が心強い。早速、その内容を見てみよう。

■職場の「あるある」な問題にどう対処するか?

 職場で発生するムダの数々は、なにもその会社だけのものではない。たとえば、「多すぎる承認・決議」「頻繁な業務の手戻りや変更」「IT操作に付帯する多すぎる手作業」などの本書で取り上げられている問題は、あなたの職場にも心当たりがあるのではないだろうか。こうした問題を整理するために、著者が紹介しているフレームワークがある。それは、「ECRS」と呼ばれるもの。あなたの周りにあるひとつひとつのムダに対して、以下の対処法を検討することで、うまい解決策が見つかるかもしれない。

Eliminate(排除):既存業務の何かを取り除くことはできないか?
Combine(結合と分離):類似の業務を一つにまとめるか、異なる業務を分けられないか?
Rearrange(入れ替えと代替):業務の順序・やり方を変更することはできないか?
Simplify(簡素化):業務を単純にすることはできないか?

■ムダな会議をしている会社には伸びしろがある!?

 次は、もう少し具体的な話を見ていこう。組織で働く人々が感じる“ムダ”の代表格は、やはり会議だ。仕事に占める会議の割合は、一般的なオフィスワーカーで20~30%、マネージャークラスではなんと60~80%だという(引用:『会議の教科書 強い企業の基本の「型」を盗む!』[山崎将志/SBクリエイティブ])。えらい人に面談を申し込もうとしたら、ギッチリ詰まった予定表に驚く…ということはよくあるだろう。だが、果たして、その会議はすべて必要なものなのだろうか。会議に関しては、先んじて改革に乗り出している企業がたくさんある。だらだらと長い会議にならないように、会議の時間を15分単位で設計したり、立ったまま行う「スタンドアップ・ミーティング」を採用している会社もある。こうした先進的な会社に学べば、どんどん他の業務に割ける時間が生まれるはずだ。

 本書は、職場で起こるさまざまな働き方の問題に対して、その“原因”も解説しているため、解決策が腑に落ちる。誰もがムダだとわかっていても、なかなか解消されない問題の数々。そこには表に見えていない、根深い原因があるのかもしれない。本書の考え方を参考に、会議の時間を1時間でも減らせれば、より自身や会社を成長させるきっかけになるだろう。

文=中川凌