赤ちゃんにも見やすい絵で「発語」や「指さし」を引き出す絵本『あかちゃん研究からうまれた絵本 かお かお ばあ』

文芸・カルチャー

2019/11/14

『あかちゃん研究からうまれた絵本 かお かお ばあ』(山口真美:作、金沢創:実験監修、ミスミヨシコ:絵/KADOKAWA)

 まだ視線もおぼつかない赤ちゃん。ましてや親子で会話できるのはまだまだ先ですが、赤ちゃんはすでに「顔」を通じて親との対話を楽しんでいるようで…。

 絵本『あかちゃん研究からうまれた絵本 かお かお ばあ』(山口真美:作、金沢創:実験監修、ミスミヨシコ:絵/KADOKAWA)は、赤ちゃんが大好きな「顔」をテーマにした絵本。赤ちゃん研究や、読み聞かせ実験をもとに、赤ちゃんが本当に喜んでくれるように作られたそうです。

■見つめて、笑ってくれる!赤ちゃんはなぜ顔が好きなの?

 では、赤ちゃんはなぜ顔が好きなのでしょうか? 本書のはじめのほうには、パチッと開いた目がこちらを覗いているような絵があります。1か月くらいまでの赤ちゃんにとって特に見えやすいのは白と黒で、目・目・口の配置で顔と認識するそうです。

 見えやすい色や形がつまっているから、赤ちゃんは「顔」が好きなんですね。だからこそ、赤ちゃんは「顔」をテーマにした本書にも反応し、読み聞かせ実験では、見つめる、笑う、指さす、発話するなどの行動を引き出すことに成功したとか。この絵本に描かれた絵は、赤ちゃんが見ている風景とまるで同じ。知られざる赤ちゃんの世界を体験できるのも面白いところです。

■「見えるもの」がどんどん増える、赤ちゃんの成長を実感

 先のページにいくと、絵に色がつき、目にも「きょろきょろ」と表情が加わりました。ここでは、色や目線の動きがわかるようになった、2か月~4か月頃の赤ちゃんを意識しているそうです。こうして、本書の絵は、赤ちゃんの発達に合わせて変わっていきます。繰り返し読むなかで、赤ちゃんの成長を実感できるのではないでしょうか。

 赤ちゃんは大好きな「顔」を通じて、親とのつながりを学習しているそうです。まだ言葉は交わせないけれど、顔を見つめてにっこりするだけでもコミュニケーションが取れているとわかれば、安心感がありますよね。赤ちゃんとの関わり方がわからない…というママやパパのお助けアイテムにもなりそうです。

■我が子の成長を刻む思い出の一冊に

 さらに進むと、ギザギザなどの模様や、驚きや悲しみなどの表情も登場します。コントラストの強い色や形だけでなく、「にこ」「えーん」などのわかりやすい言葉も赤ちゃんのお気に入り。

 本書は、筆者の3歳の息子でも楽しめました。はっきりした色や形、言葉がやはりわかりやすいらしく、ページをめくるたびに「わあ!」「あはは!」と嬉しい反応。「これはどんな顔?」と顔真似を求めてくるので、返すほうがちょっと大変…。それほど、この絵本が気に入っています。

 赤ちゃんの成長を感じながら、親子の仲をさらに深めてくれる本書。うまれたての赤ちゃんから長く読めるので、読めば読むほど成長が感じられて、我が子の成長の記録がつまった大切な一冊になるかもしれません。出産時のプレゼントにもおすすめです!

文=吉田有希

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