オモチャのように扱われる弟は、美しくてエッチな姉に翻弄されっぱなし! 血の繋がらない姉弟が織りなす禁断のいちゃラブコメディ

マンガ

公開日:2019/11/9

『おねチャ。』(七竈アンノ/日本文芸社)

『おねチャ。』(七竈アンノ/日本文芸社)の主人公、鮎川冬莉(あゆかわ・とうり)は思春期“ど真ん中”の男子高校生。毎晩お気に入りの動画を探しては自分の欲求発散に没頭するほど、「性」に貪欲な年ごろだ。そんな冬莉には幼い頃に親の再婚で姉弟となった、姉・桃花(ももか)がいる。不出来な自分とはちがい、成績優秀で運動神経抜群、おまけに美少女という非の打ちどころのない桃花はいつも冬莉の心を乱す存在だった。

 そんなふたりの関係に、急に転機が訪れた。見下すような言葉や視線を投げかける桃花への復讐心から姉の下着を使って自慰行為をしていた冬莉は、その一部始終を桃花に見られてしまったのだ。驚きと罪悪感で焦る冬莉を横目に、桃花はおもむろに自分のスカートをまくり上げて“脱ぎたて”の下着を差し出す。

“とー君は幸せ者だね こんな優しいお姉さんがいて”

“…姉ちゃんの言う通りだよ。いつも優しくて(中略)いい匂いですごくお姉ちゃんらしい。俺の事なんて何とも思ってない”
“いつか姉ちゃんに追いついて追い越して、姉ちゃんより早く大人になって。姉ちゃんなんてやめさせて嫁にしたいんだ”

 こうして、この夜ふたりははじめて“姉弟のボーダーライン”を越えた。越えてはならないはずの禁断の一線を……。しかし、一度結ばれたからといって姉弟の関係が簡単に動き出すわけではない。あの夜以来、桃花のことを意識しすぎている冬莉に比べて、桃花は相変わらず余裕たっぷり。魅惑的な甘い言葉と挑発的な表情で、冬莉のこころとからだを翻弄していくのだった。

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“どうしてほしいの?言ってくれなきゃわかんないなぁ、お姉ちゃん”
“ハダカだと思った?ザーンネン♡”
“いっぱい頼って、いっぱい気持ち良くなって、いっぱい甘えていいんだよ”

 本作は、血の繋がらない姉弟の“禁断の関係”を描いた、いちゃラブコメディ。幼い頃から誰よりも近くて誰よりも遠い存在であったふたりのもどかしい恋愛模様が描かれている。魅力はストーリーが進むにつれて少しずつ見えてくる、桃花の本当の淡くてもろい恋心。一方通行のように思えた冬莉の想いに姉心と女心が加わり、物語はよりエロく、より複雑に展開していく。

 ひとつ屋根の下で繰り広げられる目を忍ぶ恋はどのように変化していくのだろうか。軽快なテンポと艶やかに表現された美しい女性描写を楽しみながら、ふたりの関係を見守ってみてほしい。

文=山本杏奈