今の会社で「出世」できそう? 組織に縛られない新しい生き方を見つけるコツ

ビジネス

2019/11/11

『「中の人」から「外の人」へ 出世のススメ』(角田陽一郎/日本実業出版社)

「出世」と聞いて誰しも思うのは「社内で偉くなること」でしょう。しかし21世紀になって約20年、さまざまなことが激変する今、令和の時代にふさわしい「出世」があるのではないでしょうか? 『「中の人」から「外の人」へ 出世のススメ』(角田陽一郎/日本実業出版社)は、「さんまのスーパーからくりTV」など数多くのバラエティを担当してきた元敏腕プロデューサー・角田陽一郎氏が、22年にわたって勤めたTBSを46歳で退社し、バラエティプロデューサーとして幅広いジャンルで活躍する経験を踏まえ、「出世」について提案した1冊です。

 今世界では、中国の台頭、IT革命、MMT(現代貨幣理論)、ベーシックインカム、AI(人工知能)など、新たなトピックが次々と生まれ、頻繁にアップデートされています。しかし、成文化されたルールの文言はアップデートされにくく、揺るぎない確信を持っている人ほど時代とブレてしまうのだそうです。テレビ局やその業界というのは私たちの想像に反して意外にも閉塞的な組織だそうで、それで角田氏は「出世」することを選んだそう。

 角田氏の「出世」の定義とは、「腹をくくること。具体的には自分の信じることを進め、自分が違和感を持ったことはやらない」といった“態度”のことだそうです。また、自由に生きるためには「リベラルアーツ(教養)」を体得しておくことが大事だと著者は述べます。

 では、角田氏が組織の「外の人」となって見えてきたことをいくつかピックアップしてみましょう。

◎好印象を受けたほうを選ぶ。ジャケ買いのススメ

 人のおすすめばかりに従ってモノを選んでいると、選択眼や洞察力を鍛えることができません。自分のインスピレーションで選んで、失敗した記憶と経験が次のジャケ買いを精緻にしていくのです。好き嫌いは人生の防御センサー、「好きも嫌いもインタラクティブですから関わる人も顔で選んでいい」と著者は述べます。

◎信用に足る仕事を誠実にやり続ける

 テレビマンにとって、キャスティングの土壇場で仕事を断らないタレントさんはありがたい存在。信頼を勝ち得てビッグになっていった「くりぃむしちゅー」に改名する前の「海砂利水魚」がまさにそうだといいます。

◎自分に箔をつける

 ブランド品のバッグや時計は、自分に箔をつけるための表面装飾だと思いかつては否定的だったそうですが、「他人は滲み出ているものでその人を値踏みする。バッグが箔をつけているのではなく、それを手に入れている自分という満足感が表情や佇まいに出ることで、その人の箔となっていく」との思いに至ったそうです。

◎自分が属するフレームを再検討する

 仕事に追われ忙しい生活を送っていると新たなチャレンジや自分のステップアップの機会は阻害されてしまいます。バッファ(遊び、余白)があるからそこから新たな発想や人間関係が生まれるのです。ただし、会社の中でおもしろいことができる環境であれば辞めないほうがいいそう。能力と照らし合わせて、機会損失を防ぐことも大事です。

 世界は次のパラダイムへと急速に移行しつつあります。今まで異常だったことが普通になることもあるし、今までと同じことをしていても成功は遠いような社会。でもその中でどんな体験でも、その体験をした時の“自分の感情”に一番価値があるといいます。なぜなら、その感情がその人の人生をおもしろくするからです。自分の1回限りの人生を何に使うか――本書で“あなた向け”のヒントが見つかるかもしれません。

文=泉ゆりこ