容姿端麗な完璧女子が、不埒なゲス男どもを粛清する! WEBでも話題の「女男平等」漫画
2019/11/14
男女の差についてよく取り沙汰されるが、本来は人としての立場は平等であるはずだ。最近でこそ女性の社会進出は目覚ましいが、かつてはいわれなき「女性蔑視」の風潮が存在したのだ。そして、現在もそれが根絶されたわけではない。そんな蒙昧な男どもを退治してくれようというのが『男殺しの音頃さん』(1)(十九島信/小学館)だ。本作はコミックWEBサイト「裏サンデー」から派生した「マンガワン」に連載中の漫画で、このたび単行本化された。
物語は、とある高校にひとりの美少女が転校してくるところから始まる。彼女の名は音頃綺羅(おところ・きら)。その可憐さには、童貞男子の立花一平もイチコロ。しかし、そんな音頃さんにはとんでもない秘密があったのである――。
そんな一面が明らかになったのは、彼女が体育教師に誘われて陸上部へ行ったとき。実はその教師、セクハラなど悪い噂の絶えない男だった。そんな教師に眠らされ、襲われそうになった音頃さんを助けに入った立花…。しかし、彼女は眠ってなどいなかった。セクハラ教師の犯罪を暴くため、あえて誘いに乗っていたのである。そう、彼女の正体は、不埒な男どもを粛清する「民主太陽女性党(陽女党)」の工作員だったのだ!
そして、かんざしを手に「音頃流男殺術」を繰り出す彼女によって、セクハラ教師は成敗されるのであった。身を挺して音頃さんを助けようとした立花は、図らずも彼女から「女男平等」の理想社会実現を目指す“同志”として認定されることになる。
こんなことが起きた後も音頃さんの粛清劇にたびたび巻き込まれる立花だが、最大の危機はなんと自らに訪れる。「なぜか男子の前でエッチなハプニングを起こしてしまう」というクラスメイトの女子に対し、立花は「同意のない身体接触」をしてしまう。それだけならまだよかったかもしれないが、さらに不幸なハプニングが重なって、音頃さんの制服を脱がせてしまうという、とんでもないことをしでかしてしまったのだ。
これによって音頃さんの「男殺指数」は臨界突破し、立花は粛清の対象となってしまう。しかし、一度彼を同志と認めた音頃さんは、粛清することに逡巡する。そして彼女の選んだ答えは、「音頃流男“活”術」を使うことだった。この技を使って立花の記憶を奪い、彼の行為をなかったことにしたのである。こうして立花は(この巻の)最大の危機を脱したが、今後も彼には想像以上の困難が待ち構えているに違いない…。
ちなみに音頃さんが所属する「陽女党」は、公衆の面前で粛清を実行してもその騒動を隠蔽できてしまうほど巨大な力を持った団体だ。しかし、そのような大きな組織には、当然のように敵対する者も存在する。それが最強の4人“四紳士(ジェントル・クワトロ)”が統括する「男大団(だんだだん)」。そして音頃さんが陽女党の工作員であることを嗅ぎつけた四紳士のひとりは、彼女の弱点を探るために、立花たちが通う高校へ教師として赴任してくる。こうして陽女党と男大団の仁義なき戦いの幕が上がるのだった――。
本作は基本的にパロディ色が強いので好き嫌いが分かれるかもしれないが、音頃さんが非常にカワイイのは間違いない。そんな彼女がゲス男たちを次々と裁いていく姿は爽快で、読んでいて楽しいところだろう。だがあまり女性を「性的」に消費していると、音頃さんのような陽女党員に粛清されてしまうかもしれないので、気をつけるようにしよう。
文=木谷誠
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