成長を続ける美容室AFLOAT・宮村浩気が語る「任せ切る経営」

ビジネス

2019/11/18

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『任せ切る勇気』(宮村浩気/エイ出版社)

 チームや組織を束ねる立場になると、「リーダーシップ」について考え始める。「リーダーシップ」とはどのようなものか。「リーダーとは引っ張っていくべき存在だ」と考える人がいるだろう。しかし、近年、リーダーシップにはタイプがあり、その人にあったリーダーシップが良い、という声が目立つ。また、組織を“導く”ではなく“支える”という「サーバント型リーダーシップ」が注目されている。

 すでに聞いたことがあるかもしれない「サーバント型リーダーシップ」だが、なんとなく下から支える、リーダーが尽くすというイメージはもっていても、具体的にどのように実践すればいいか悩んでいる人がいるのではないだろうか。

 そこで、『任せ切る勇気』(宮村浩気/エイ出版社)を開いてみる。本書は、現在国内直営8店舗を展開し、競争が激しい美容業界で目覚ましい成長を続ける美容室「AFLOAT(アフロート)」の代表取締役を務める宮村浩気氏が著している。本書は、AFLOATが成長し続けている理由のひとつについて、「任せ切る経営」だと述べている。

 本書が終始語る「任せ切る」は、文字どおり、本当に任せ切ること。「売り上げをのばせ」とは絶対に言わない。各店の内装の変更や、運営方法について口を出すことはない。そもそも、店舗にほとんど行かない。なぜなら、氏は長年の経営経験で、会社がうまくいかなくなる理由がわかったから。それは、「社長がいろいろなことをやってしまう」「言ってしまう」こと。そうではなくて、優秀な部下がいるなら、任せ切ることが正解だという。

目指すものがはっきり見えていて、それをしっかり共有できているなら、余計なことは言わないほうがいい。

 氏はこう考える。社長やリーダーは決して偉いわけではない。ひとつの役割でしかない。その役割をしっかりとやることで、やっと自分が社長として居続けることができているだけ。その役割こそ、「引っ張っていくこと」ではなく「支えること」。具体的には、「環境を良くし、心地よく働けるようにする」ことだと気付いたのだという。

 では、どうすれば心地よく働ける環境にできるのか。まず大切なのは、雰囲気づくりだ。氏は基本的に「ノー」を言わない。そうすることで、主体性を引き出す。また、厳しい意見こそ言ってもらえるオープンな空気をつくる。氏は、自分から近づいていって、声を聞き出す。また、厳しい意見を言ってくれたなら、「言ってくれて良かった」と率直に感謝を伝える。

 また、「頑張れ」と言わないようにしている。すでに頑張っている人に頑張れと言われると、モチベーションが下がるかもしれないからだ。かわりに「楽しもう」「盛り上げよう」などの言葉を積極的に使う。

 この他、会社の目標についての信念、休日の取り方のビジョンなど、本書には「リーダーシップ」…とりわけ新世代型の「サーバント型リーダーシップ」の考え方が具体例として凝縮されている。

「リーダーシップ」について考え始めた、あるいは悩んでいる人にとって、大きな助けになる1冊だ。

文=ルートつつみ