単なる月額課金に終わらせない! サブスクリプションビジネスを成功させるには?

ビジネス

2019/11/22

『サブスクリプション2.0 衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル』(日経クロストレンド:編/日経BP社)

「spotify」や「Netflix」「Amazonプライム」の登場で音楽や映画の楽しみ方が変わってしまった人も多いのではないだろうか? これらの定額サービスは「サブスクリプション」と呼ばれ、ここ2、3年でマーケティングの中心になっているビジネスモデルだ。

 念のため知らない人のために簡単に仕組みを説明すると、消費者が定額の月額料金を支払うことで、規定内のサービスを自由に利用できるサービスである。グーグルで「サブスクリプション」をキーワードとした検索数を調べてみると、2016年を境に急増しているといい、検索数は2019年時点で前年比約2倍と大幅に伸びている。しかし、導入したもののうまくいかず、サービスの見直しや撤退をする企業も少なくないという。

 本書『サブスクリプション2.0 衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル』(日経クロストレンド:編/日経BP社)ではトヨタやパナソニックなど、サブスクリプションサービスを展開(撤退企業を含む)している24社の試行錯誤とそのポイントを徹底取材。衣・食・住・動・楽の5分野に分けて、具体的な成功例と失敗例を考えながら、事業成功の法則を詳しく解説してくれる。

 好きな車1台に3年間乗車できたり6カ月ごとに新車のレクサスに乗り換えることができたり、最大6車種を乗り比べることが可能なトヨタ自動車の「KINTO」や、アースミュージックアンドエコロジーといった人気ブランドの新品の洋服が定額で借り放題とうたうストライプインターナショナル「メチャカリ」など、大手企業の複数の事例を見ていくと、ビジネスモデルとしてのメリットや成功ポイントがよく見えてくる。

 また、ビジネスウェアの月額レンタルサービスから撤退したAOKIホールディングスの話など、企業にとってはあまり語りたくないであろう失敗談なんかもあって、それを読むだけでも参考になる。ただ紹介されている事例はまだまだ立ち上がったばかりの段階。成功例かどうかを判断するのは先のことになるだろう。

 企業がサブスクリプションを進める上で、大切にしていることは何なのか。本当に大切にしているのは、長期的に「月額課金」で収益を得ていくこと!

 しかしそこに至るまでのビジネススキームで、ブランド自体を好きになってもらい、顧客に長くサービスを利用し続けてもらう仕組みや価値の提供が必要なのだなと感じる。

 現在、消費者の嗜好が「所有から利用へ」と変化し、企業もそれに合わせるように、製品売り切り型のビジネスから継続的にサービスを提供するビジネスモデルにシフトしてきている。この本を読むと、サブスクリプションモデルの成長性はますます高くなるように感じる。サブスクリプションについて学びたいなら、一読の価値はありそうだ。

文=竹治昭宏