女性が最も魅力的になるのは○歳!? 医師・森田豊さんが説く恋愛と寿命の驚きの関係

恋愛・結婚

公開日:2019/11/22

『名医が教える 寿命を延ばす恋愛医学』(森田豊/扶桑社)

 愛は偉大だ。人の心を豊かにし、生きる活力を与えてくれる。この不思議な現象を科学的な見地から立証すべく、世界中の研究機関がさまざまな実験を試みる。愛の力は科学者にとって立派な研究対象なのだ。

『名医が教える 寿命を延ばす恋愛医学』(森田豊/扶桑社)は、そのデータをかき集めて、いかに愛が人に好影響を与えているか説いた1冊だ。著者は、医師で医療ジャーナリストでもある森田豊さん。

 先に述べておくと、本書は結婚を推奨したり、離婚を否定したりするワケではない。いかに愛の力が素晴らしいかを読者に知ってもらい、今後の生活に役立ててほしいと願って出版された。

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 コンセプトだけでワクワクさせる本書より、愛がもたらす効能をいくつかピックアップしよう。

■出勤前のキスは寿命を延ばす

 カナダにあるローリエ大学の研究者は、ある衝撃的な研究結果を発表した。家を出る前にキスをするカップルは、キスしないカップルに比べて「寿命が5年長い」というのだ。さらにキスをするカップルのほうが、交通事故に遭う確率が下がり、欠勤率も低く、収入も25%高いという。ほう、今すぐキスをしないと! いや、まずは愛しい人と結ばれないと!(号泣)

 どうやらキスをされると「愛されている」という自覚を持ち、さまざまなところに好影響を及ぼすらしい。さらに20秒以上の舌をからませたキスをすると、ストレスレベルが劇的に下がるという。脳内に快感ホルモンが分泌されるためだ。うん、分かる気がする。これは間違いないだろう。世のカップルは激しいキスを毎日しよう。

■初めてのセックスまで時間がかかったカップルほど長続きする

 アメリカにあるコーネル大学の研究チームは、約600組のカップルに「幸福度」を調査した。その回答を分析すると、付き合って1カ月以内にセックスしたカップルより、半年以上がかかったカップルのほうが幸せを感じており、性生活でも満足しているという。

 さらに交際期間1年未満で結婚したカップルと比べて、1年から2年の期間を経て結婚したカップルのほうが、離婚する確率が20%も低い。3年以上経たカップルになると、なんと約40%も低い結果も出たという。

 何事も「急いては事を…」ということなのだろうか。早く結ばれたい! と願うカップルほど、どれだけ相手と一緒に長くいたいか考えるべきかも。

■女性が最も魅力的になるのは34歳

 イギリスのある団体の研究結果によると、女性の性欲が最も高まるのは34歳だそうだ。その理由は、女性は30歳を超えると女性ホルモンの分泌が減少し、性欲に関わる男性ホルモンの分泌が増加するためだ。動物は性欲が高まるほど異性に強烈なオーラを発するので、34歳を迎える女性はある意味で人生最高の期間を過ごすことになるだろう。

 ちなみにイギリスの保湿ケアブランド「Astral(アストラル)」は、女性が最も“感じる”ピークの年齢が34歳という調査結果を突き止めた。中年女性の56%が「若かったとき以上に、セックスを楽しめている」と回答しているという。一般的に女性は年齢を重ねるとセックスの機会は減っていくが、そのぶん、中身は濃くなり感度が増していく傾向にあるようだ。ただし個人差があるので、ご自身の体質や体調を確認しながら、愛あるセックスを楽しんでほしい。

■セックスは認知症予防になる

 セックスが体によい影響をもたらすことは多くのメディアが報じているし、大半の人々がベッドの上でなんとなく感じていることだ。

 しかし認知症予防につながることを知っている人は少ないだろう。イギリスのある教授は、「セックスは適度な運動になり、オーガズムを感じている最中は脳の神経細胞が活発化する」と突き止め、セックスが「脳トレ」的な役割を果たすことを解説する。

 さらにアメリカにあるプリンストン大学は、ラットを使った実験で「セックスによって神経細胞の成長を促す」ことを確認。イタリアでは「定期的にセックスを行う高齢者は認知症になりにくい」という研究報告がなされたという。性欲と上手に付き合いつつ、適度なスケベ心を生涯抱いておけば、脳みそに好影響をもたらすようだ。

 このように本書で解説される研究結果は非常に興味深いものばかり。このほかにも「二股交際をすると早死にしやすい」「亭主関白&かかあ天下は長生きできない!?」「カップルの会話にブラックジョークは危険」など、気になるテーマがたくさんあるので、気になった人はぜひ続きを読んでみてほしい。

 愛は人生を潤す。愛があるだけで日常がバラ色になる。本書を読むほどに、愛の偉大さを感じずにはいられない。

文=いのうえゆきひろ