『ダンまち』の多層的な魅力がここに。『ダンまち インフィニト・コンバーテ』レビュー

マンガ・アニメ

2019/11/28

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか インフィニト・ コンバーテ』 
11月28日発売
PlayStation®4/PlayStation®Vita/Nintendo Switch™/ Windows(DMMにてダウンロード版のみ発売)
(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/ソード・オラトリア製作委員会 (C)MAGES.

 2020年7月からのTVアニメ3期の放送が発表され、アニメファンを中心に大きな盛り上がりを見せた、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』。大森藤ノによる原作小説は2013年1月から刊行、2015年にTVアニメ1期がスタート。劇場版やゲームなど、さまざまなメディアに進出し、広く熱く支持を得ている『ダンまち』だが、その魅力を余すところなく体験できるのが、11月28日に発売されたゲーム、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか インフィニト・ コンバーテ』(以下、『ダンまちIC』)だ。ダ・ヴィンチニュースでは、メインキャスト3人=ベル役・松岡禎丞、ヘスティア役・水瀬いのり、アイズ役・大西沙織のインタビュー、そして近日公開予定の原作者・大森藤ノ氏へのインタビューを含めて特集記事を展開しているが、『ダンまちIC』とはどんな作品なのか、改めて紹介してみたいと思う。

「自分好みのベルを育てられること」の喜び

『ダンまちIC』は、数々のクエストをこなしながらキャラクターの成長を楽しむ「ダンジョン探索型RPG」である。プレイヤーは、作品のファンにはおなじみの「迷宮都市オラリオ」を拠点にしながら、『ダンまち』の主人公=ベル・クラネルと、ベルが憧れの「剣姫」にして『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝』の主人公=アイズ・ヴァレンシュタインを操作し、ダンジョン攻略を目指す。物語のベースは、TVアニメ『ダンまち』の序盤のストーリー。シリーズのファンにとっては原点を追体験できるし、まだ作品の世界に足を踏み入れたことがないプレイヤーには、ぜひ『ダンまち』への入口として楽しんでほしい内容になっている。

 そもそも『ダンまち』は、新米冒険者であるベル・クラネルが、厳しい戦いをくぐりぬけながら、仲間たちと絆を育み、成長を遂げていく物語である。よって、ゲームプレイを通してベルの冒険を一緒に体験していくことになるわけだが、本作ではダンジョン攻略で得たスキルを自身の好みにあわせて割り振ることができるので、「そのプレイヤーならではのベル」を育成できるのは、とても楽しい。少しずつできることが増えていくベルを見守るのが、原作やTVアニメ『ダンまち』に触れることで得られる喜びのひとつだとするならば、『ダンまちIC』はその魅力を十二分に体現しているのではないだろうか。

ストーリー、キャラクター、バトル。『ダンまち』ならではの多層的な魅力とは

 今回の特集では、『ダンまち』のメインキャラクターを演じるキャスト3人に、『ダンまちIC』を実際にプレイしてもらった。作品の全体的な印象や、個人的に楽しかったポイントを尋ねてみると、三者三様の答えが返ってきた。

松岡禎丞(ベル・クラネル役)
小説を読んでるかのように、「次の展開はどうなっていくんだろう」って気になってしまうので、寝不足必至のやつだな、と思います。シナリオも原作やアニメーションの時系列に沿って作られているので、没入感があると思います。これは、始めたらたぶん最後まで延々やっちゃうでしょうね(笑)。

水瀬いのり(ヘスティア役)
ダンジョンに潜るときに、サポートキャラとしてキャラクターを設定できるんですけど、アニメーションや原作でのファミリアのくくりを飛び越えたチームが編成できるんです。いろんなキャラクターをサポートキャラにして、一緒にダンジョンに潜ってもらえると、「このふたりが並んでる!」っていうゲームならではの夢の共演感があるので、そこが楽しかったです。

大西沙織(アイズ・ヴァレンシュタイン役
個人的に楽しかったのは、自分で操作するバトルですね。エフェクトとか、SDキャラがかわいらしくて。『ダンまち』の世界観をちゃんと体感できるんだけど、そこまで怖くない、みたいな。原作やアニメを観てくださってる方にはお馴染みのモンスターが出てくるんですけど、それがミニマムなSDになったときに、ちょっとかわいいなあって思いました。

 原作に沿って進んでいくから、ストーリーにどんどんのめり込んでいける。『ダンまち』ならではの、「この先を知りたい」と思わせる物語の強度は、『ダンまちIC』にも宿っている。

 原作やアニメではありえない組み合わせで冒険できることの楽しさは、『ダンまち』の登場人物がことごとく愛すべき存在であり、彼らが過ごす時間をずっと体験していたい、と思わせるキャラクターたちの魅力を示している。

 そして、やっぱりダンジョンに潜って繰り広げる緊迫感のあるバトルも、『ダンまち』が我々を惹きつける大きな要素のひとつ。キャラクターたちだけでなく、対峙するモンスターにもどこか愛着を持ってしまうこともまた、『ダンまち』ならではと言えるだろう。

『ダンまち』に深い愛情と熱量を注いできたキャストたちが、それぞれ異なるポイントにフォーカスしていることも興味深い。ストーリー、キャラクター、バトル、もちろんそれ以外の方向にも無限に広がっていく作品の面白さが、『ダンまちIC』にも詰まっている――3人の言葉は、そのことを象徴的に物語っているように思う。

「みんなが見たかったあの組み合わせ」に出会える、エクストラモード

 メインストーリーをクリアした後に、さまざまなエクストラモードが体験できることも、『ダンまちIC』にのめり込むきっかけとなる大きな要素である。『ダンまち』ファンにはおなじみの温泉から、添い寝、お出かけイベント――。TVアニメでは描かれてこなかったキャラクター同士のかけ合いが堪能できるのも、ゲームならでは。たとえばTVアニメにおいて、実はかけ合うことが少ないヘスティアとアイズのイベントなど、『ダンまち』のファンには嬉しい組み合わせのエピソードがたっぷり収録されている。

 TVアニメ2期が終了したのが、今年の9月。そして、TVアニメ3期の放送がスタートするのは、2020年の7月。近い未来に『ダンまち』の物語の続きが体験できるのは、純粋にワクワクする。原作&TVアニメの多層的な魅力を詰め込んだ『ダンまちIC』をプレイしながら、2020年ますます盛り上がる『ダンまち』の展開を楽しみに待っていよう。

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