しんどい人は今のうちに「心の大掃除」を! 「こんな自分じゃダメだ…」をなくすルール

ビジネス

2019/12/6

『パズるの法則 奇跡は常に2人以上』(ひすいこたろう、吉武大輔/大和書房)

 いよいよ年末年始。「ああ、今年はあまりやりたいことをできなかったな、来年こそは…」と一年を省みている方も少なからずいるのではないでしょうか。
 
「この本は99%読み流してもいい、そのかわり読んで感じた直感は100%信じてほしい」という優しくも力強いフレーズで始まるのが、『パズるの法則 奇跡は常に2人以上』(ひすいこたろう、吉武大輔/大和書房)。コピーライター(ひすい氏)と起業家(吉武氏)の2人(共通点は作家であること)が「生きてるだけで大ラッキー」と思わせてくれる1冊です。
 
 本書のキーワード「パズる」の由来は、もちろんパズルから来ています。本書は、「パズる」とは、「自分とつながり、人とつながり、世界とつながること」と定義します。他者を頼りながら世界の成り立ちや自分というピース(存在)を当てはめるパズルを解いていくことともいえそうです。

■自分を「パズルのピース」だと考えてみると…

 自分の探しものが他者に、他者の探しものが自分に預けられているという認識をもっていると、いったいどんな行動が誘発されるのでしょうか? 著者たちは「自分の形(自分に充てられたパズルのピース)というものは変えられない」という前提で、このように「パズる」思考を説明しています。

“懐かしい人の顔がふと浮かんだら、特に目的がなくてもその人に連絡をとってみる。
「イタリアに行きたい」と思ったら、行けるか行けないかは一旦置いて、まずは調べてみる。
部屋を片づけなきゃと思い立ったら、一旦この本を置いてでも片づけてみる。”

 自分の形が変幻自在だととらえると、「欠点を克服しなきゃ」「もっとたくさん早く学ばなければ」と焦りがモチベーションとなりがちです。そうではなく、自分が持つ限られた力の配分や、他者からの力のもらいかた、そしてそのバランスを見つめ直してみようというのが本書の提案です。そうすると、つながりあう喜びや他者への愛情というポジティブな感情が、物事に取り組むモチベーションとなるのです。

“成長と成熟の一番の違いは、自力なのか、他力なのか、です。
個人の努力は必要です。でも、どれだけ成長しても、自分ひとりの力には限界があります。その事実を謙虚に受け入れ、どうしたら周囲の人と、力と心を重ねて、望む未来をつくることができるのか。成熟した人は、そんなことをいつも考えています。”

 言葉の成熟を目指すコピーライターと事業の成熟を目指す起業家は、本書の副題にもなっている「奇跡は常に2人以上」という真理に到達しました。しかし、人生は常にうまくいくわけではありませんし、「奇跡じゃないとき、奇跡が起きないときはどうすればいいんですか?」と聞きたくなりますよね。本書はただ夢物語のような金言を書き綴るだけではなく、解決しにくい問題や嫌いな人に対してどのように対処するかについてもきちんと教えてくれます。

 著者たちにとって問題というのは、「相手との関係を深めるために起きてくれているもの」、嫌いな人というのは「過去の自分のようなもの」だといいます。

 2019年にあなたが手にとったパズルのピースは、今も心の中に散らばっているはずです。そのひとつひとつの意味合いを見つめ直すと、忘れものが見つかったり、いつの間にか自分が他者からものを預かったりしていることにも気づくかもしれません。本書はまさに「心の大掃除」のお手伝いをしてくれる1冊。さらに、私たちが歩んできた一年をやさしく肯定してくれるような1冊です。

文=神保慶政