京都の町を狸が天狗が駆け巡る。狸の一生は、おもしろくって退屈している暇がない

小説・エッセイ

2012/5/24

有頂天家族

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 幻冬舎
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:森見登美彦 価格:648円

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京都の町をぷりぷりと歩くセーラー服の美少女。それは糾ノ森に住む下鴨一族の3男の矢三郎。彼はあるときは女子高生、ある時は京都の腐れ大学生、ある時は可憐な令嬢にくるくると姿を変える。つまりは彼は化けることを得意とする狸なのである。

狸は天狗を先生と崇め、そして天狗は恋に悩み落ちこぼれ街道まっしぐら。井戸の中には化けたまま戻れなくなった元狸の蛙が一匹。風情あふれる京都の町を、下鴨一族の4兄弟の狸をはじめ、奇妙な輩たちが駆け巡る様子がなんとも楽しい! というかかわいい!! そうだ、京都行こう!! と思わずにはいられない。

「夜は短し歩けよ乙女」でおなじみの森見登美彦さんの、お馴染み京都を舞台にした物語ですが、いつも思うのですが森見さんの描く物語ってどうしてこうも楽しくってかわいいのでしょうか! 私の中にかろうじてある乙女心が擽られます!! 出てくるひとつひとつの小物なんかもそうですが、世界観すべてがキュートです。

読んでいる間中は、まるで漫画を読んでいるみたいに、私の頭の中でくるくると下鴨家の一族が京都の町中を駆け巡っていきました。かわいくって阿呆な狸たちだけれど、根っこには人間以上の師弟愛があり、家族愛がある。そして(森見さんファンにはお馴染みの)偽電気ブランがあるし、赤玉ポートワインもあります。楽しくってついつい笑ってしまうドタバタ狸劇。狸たちの家族愛にほっこりした気持ちになったかと思いきや、切ない気持ちにもなったりして…。

読み終わった感想は「あー楽しかった!!」のひと言に尽きますね。アニメ化とかしたら絶対おもしろそう!! 現実の京都の名所が出てくるので、京都観光もこれ1冊を読めば、もっと楽しくなりそうです。


京都の狸たちは天狗にいろいろ教えてもらうそうです

カフェに現れる謎の宝塚歌劇を彷彿とさせるカップルの正体は…

六道珍皇寺にある井戸に行けば矢二郎兄さんに出会えるかも

狸だって楽しかった頃の思い出に浸るのです