「結婚はコスパ悪い」説は本当か? オワ婚、友情婚、AI婚…変貌する結婚のカタチ

恋愛・結婚

公開日:2019/12/19

『結婚滅亡 「オワ婚」時代のしあわせのカタチ』(荒川和久/あさ出版)

 2040年には人口の5割が独身という「ソロ社会」時代がやってくるという。これから訪れるソロ社会の実態や、その時代における新しいコミュニケーションのあり方を豊富なデータをもとに考察する1冊が、『結婚滅亡 「オワ婚」時代のしあわせのカタチ』(荒川和久/あさ出版)だ。荒川和久氏は広告代理店において幅広い業種の企業業務を担当。現在は独身研究家として、国内外のテレビ、ラジオ、新聞などさまざまなメディアで活動している。

■オワ婚=終わりを迎える結婚という儀式

「結婚できない」「結婚しても継続できない」という、未婚や離別・死別による独身者が人口の5割を占めるというソロ社会がもう間近に来ている。

 本書によると、2015年時点の「50歳時未婚率(45~49歳の未婚率と50~54歳の未婚率の平均値)」は男性23.4%、女性14.1%であり、調査開始以降過去最高となった。

advertisement

 現在50代半ばから60代前半のアラカン世代の彼らが20代だった1980年代は、バブルに向かう華やかな時期。「お見合い」という機会が失われはじめ、「恋愛至上主義」といわれた時代だ。しかし、前述の調査結果によると、この時代においても、恋愛相手がいる割合は「3割前後」だったことがわかる。「最近の若者は恋愛離れや草食化が進んで…」とよくいわれるが、長期的な調査をみても、「いつの時代も恋愛できる男女は限られている」といえるだろう。

 国勢調査がスタートした1920年から1980年代までの同調査では、男女とも95%が50歳になる前に結婚していたことがわかる。「(ほぼ)皆婚」が実現した理由は、世話焼きなおばさんや職場の上司の後押しなどのお膳立てがあったことも一因。この「知人のお膳立て」には、離婚を抑止する効果も大いにあっただろう。

■「結婚はコスパが悪い」説は本当か?

 結婚という形式がオワコン…すなわち「オワ婚」とよばれる要因のひとつは、結婚における譲れないポイントが、男女でまったくすれ違っている点にあるという。

 女性は「相手の収入や経済的安定」は絶対譲れないというし、男性は「結婚による自分への経済的圧迫」を極度に嫌う傾向にある。強引にいえば、「女性が結婚するのは金のため」であり、「男性が結婚しないのは金のため」なのだ。女「金をよこせ」、男「金はやらん」――これではマッチングは難しいだろう。

■ビジネスも「ソロ向け」を模索。結婚のカタチは多様化?

 ファミリーレストランのガストが「ソロ専用席」を用意したことが話題となったように、もはやソロたちの支持を得なければビジネスは立ちいかなくなると本書は述べる。

 NHKの「ソロ活」関連番組で著者と一緒に出演したという中川翔子さんは、Twitterで「ひとりでなにかするのが恥ずかしいことじゃない時代になってよかった」とつぶやいた。著者もまた、「一人では寂しいというのは、ソロ活(おひとり様で行動する)をしない人の価値観にすぎない」と語る。

 著者はこうも述べている。

“一人でいるという状態は孤独であっても寂しいものではありません。寂しさは状態で感じるものではなく、あなたの心の中が空虚だから感じるもの。”
“安心なコミュニティは自分自身の内側に築いていくという視点を持つ。それがインサイドコミュニティであり精神的自立としてのソロで生きる力となるのです。”

 本書では、「結婚しない」という選択肢だけでなく、さまざまな人生の送り方を紹介する。同居しない結婚のカタチ、恋愛感情はないが助け合う友情婚というカタチ、同性婚というカタチ、またAIによって2次元キャラと結婚した人も…! 人間と結婚するだけが結婚のカタチではない時代がもうすでにやってきているようだ。

「オワ婚」時代は、結婚のカタチがただ終わってしまうのではなく、コミュニティのカタチ、家族のカタチ、しあわせのカタチ自体が変貌していくのかもしれない。自分自身の生き方をじっくり考えてみるうえでも、読んでおきたい1冊だ。

文=泉ゆりこ

この記事で紹介した書籍ほか

結婚滅亡 ~「オワ婚時代」のしあわせのカタチ~

著:
出版社:
あさ出版
発売日:
ISBN:
9784866671741