イケメンリーマン→ちょいポチャ隠キャ男子の片想いの行方は? ピュアでもどかしい“餌づけ”オフィスラブコメ、ついに書籍化!

マンガ

公開日:2019/12/31

『峰岸さんは大津くんに食べさせたい』(三戸/双葉社)

 人が「食べている」姿って、どうしてこんなに愛おしいんだろう? 大口開けて、頬張って、幸せそうにもぐもぐしている……その姿を見ているだけで、ついつい目尻が下がりそう。某CMで言ってたアレはきっと真理だ、「いっぱい食べるキミが好き」!

 そんな気持ちで思わず身悶えしてしまうのが、『峰岸さんは大津くんに食べさせたい』(三戸/双葉社)という作品だ。

 主人公の大津守(おおつ・まもる)は、同僚の峰岸侑介(みねぎし・ゆうすけ)がちょっと苦手。峰岸は、長身に甘い顔立ち、人当たりもよく、若くして営業成績トップという女子人気総取りのリア充で、なぜか大津においしいものをよく差し入れてくる。一方の大津はというと、職場で女性社員に小馬鹿にされ、健康診断をすれば引っかかり、2桁単位(10キロ以上)で体重を気にしている“陰キャデブ”。なぜ峰岸が自分に構うのかまるでわからず、困惑している。

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 誰にでもやさしく気づかいのできる峰岸だから、自分「に」よくしてくれているわけではない、自分「にも」いい顔をしているだけだ。峰岸の行動をそう解釈している大津だが、それにしては赤面もののできごとが多すぎる。実は峰岸は、大津のことが…。峰岸の面倒な愛情は、バレンタインにホワイトデー、ランチタイムや看病イベントなどなど、ほのぼのした日常のいたるところで炸裂する。大津も絶妙にひねくれた性格で、峰岸の好意を謎の理論で無効化したり、ちょっとした意趣返しをしてみたりと、やられっぱなしでないのがいい感じだ。

 近づいたかと思えばすれ違う、伝わりそうで伝わらない……ふたりの同僚で常識人の田中も巻き込んで展開する、イケメンリーマン→ちょいポチャこじらせ男子の片想いの行方やいかに?

 Twitterで「いいね」60万超えの大人気BL作品に、大津と峰岸の出会いを描いた大ボリューム描き下ろしを加えて書籍化した本作。オフィスで繰り広げられるピュアでじれったい“餌づけラブコメ”を、あなたもぜひご賞味あれ。

文=三田ゆき