死後の旅を完全サポート! 快適な来世を死者の書で!

公開日:2012/5/26

死者の書 -まんがで読破-

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : イースト・プレス
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:バラエティ・アートワークス 価格:400円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「死者の書」とはなんぞや、という部分から入りまして「これこれこういうことなんだよ」と教えてくれた本書です。

初めに「死者の書」という単語を聞いたとき、僕はすぐさまに映画「ハムナプトラ」を思い出しました。これに出てくる「死者の書」というものは、いわば魔法のアイテムのようなもので死者を蘇らせることを目的で劇中に出てきたのです。映画ではその際に「イムホテップ」というかつての古代エジプトでの神官を蘇らせて、街を乗っ取っていくという筋書きでした。そのときの印象はまさしく「復活の呪文」です。ミイラ状態で保存された死体に生を宿らせるアイテムが劇中でのそれでした。

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ですが、どうやらそれはエンターテイメント風に解釈したものだったようですね。さすがハリウッド。

しかしあながちその見解も間違いではありません。
間違いではありませんが、どうやら「来世」の解釈が違っているようです。もちろん僕らが普通に生活している上での「来世」というのは時間軸こそ未来ではありますが、同一の次元の世界に違いはありません。ですが本書で語られる「来世」というのはどうやら「天国」のような場所であり、そこへたどり着くまでの足がかりとして「ミイラにしてからの埋葬」や「死者の書」を携えることが必須ということのようですね。しかし死語の霊体がそこへたどり着くまでにさまざまな試練を乗り越えねばならず、最後の審判では生前悪事を働いたものは容赦なく切って捨てられます。

このあたりの神話が生きるにあたってのルールになって、当時のエジプトの治安を維持していたのではないかと僕なんかは読んだあとに思ってしまいました。というのもかつては法律を明文化することなく、規律や戒律を口承で物語とともに育んでいましたからね。

この「輪廻転生」と似て非なる「死者の書」という宗教的思想は、まさにそんなエジプトの神秘というにふさわしいかもしれません。


来世に向けた復活の呪文、まるでRPGの世界ですね

エジプトと言えばミイラです

ナイル川の恩恵と洪水の被害が再生という概念を生んだのでしょう

どの国でも、神のつがいから万物が生まれる神話はあるものです

どうやら過去の古代エジプトも日本と同様に多神教のようですね (C)バラエティ・アートワークス/イーストプレス