転んでもただでは起きないたくましさ。ホリエモンの獄中記は笑えます

更新日:2012/5/28

刑務所なう。 ― ホリエモンの獄中日記195日

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:堀江貴文 価格:864円

※最新の価格はストアでご確認ください。

率直に、おもしろかった~。ホリエモンの刑務所日記。
2011年4月に実刑が確定し、6月20日に東京拘置所に収監され、その後長野刑務所へ移送されたホリエモンこと堀江貴文氏の著書(以下、“ホリエモン”と敬意をもって表記させていただきます)。

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モヒカンヘアで東京拘置所へ向かう姿はテレビニュースでも流れ、私の記憶にも鮮明に残っています。IT時代の異端児としてマスメディアに持ち上げられ、一気に時の人となったホリエモンは証券取引法に違反し、手のひらを返したように嫌われ者になったように感じます。しかし、彼は淡々と自分にできる形で情報発信を続けていたのです。それはメルマガ。6月20日までは自ら発信していましたが、以降はボールペンで手書きし、スタッフがその獄中日記をメルマガとして配信しているのです。本書はそのメルマガをまとめたもの。

この本、本当におもしろい。一気に読みすすめました。
まず、ダイエット日記にもなっていて、始め92キロあった体重は約半年で60キロ目前まで迫ったり、長野刑務所の食事はすごく美味しくて(No1はメンチカツで、揚げたてでサクサクジュワーらしい)、しかも季節やイベント色の強いメニューが出されたり、年末の囚人によるカラオケ大会では工場ごとに予選まであり、かなりハイレベルなのだとか。

食事に関してはかなり毎回細かくメニューが書かれていて、時に感想もある。ホリエモンは刑務所の食事で小学校以来久しぶりに食べたという「でんぶ」について特筆している「でんぶ」は甘すぎるらしく何度も文中で「甘すぎる」というくだりがでてくるのだ。最後には「でんぶは甘すぎて食べられないっつーの!」と半ギレである。

また、21時に就寝で7時10分起床という長すぎる睡眠時間に困り果てている様子がまたおもしろい。そうそう、東京拘置所では起床前に目が覚めても何もしてはいけないのだが、長野刑務所では布団の中で本を読むことが許されているという違いもあるそう。

刑務所での仕事では紙袋を作っていた時期もあり、小さいものから大きなものへと変わると「昇進した!」と喜んでいる様子もある。本人曰く「ささいなことが嬉しい」のだ。刑務所の中で喜びを見つけるのは想像しがたいのだが、彼はある意味頼もしい。

時事ニュース論評ではやはりホリエモンらしく見識の広さを感じさせます。読める新聞も偏りがあるみたいですが、それもしっかり把握して論じています。まだ刑期はあるので、続編を読みたい(すいません、不謹慎ですね)! そして、出所後、また華麗なる復活をして欲しいと私は願っています。

ライブドアへ社名を変更する直前、私はホリエモンを取材したことがあります。日本人が好む謙虚さは…ないですが、この方ある意味、すごく素直になんでも言っちゃう人だなっという印象を受けました。飾らないという感じです。だから個人的に私はホリエモン応援していますよ。

ホリエモンのこと好きな人もそうでない人も、実生活では知りえない刑務所生活を楽しく知れる1冊です。

刑務所での様子が一部マンガとして収められている。またマンガで読む刑務所生活が笑いを誘います