所詮、世の中は銭…なのか? 気になる世界の気になる金額!

公開日:2012/6/1

銭 壱巻

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / エンターブレイン
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:鈴木みそ 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。お金? そりゃ貰えるもんなら欲しいですよ中國卓郎です。

銭! 非常にシンプルで清々しいタイトルです。多くの人が興味を抱くであろうさまざまな職業の気になる「値段」を、気持ちのいいくらい自由にそして大胆におっぴろげてくれる、そんな作品になってます。作者の鈴木みそさんは以前、ゲーム雑誌『ファミ通』にてゲーム業界のルポ漫画を連載されていました。回を重ねるごとに内容は際どくエスカレートして行き、やがてその取材対象はゲーム業界に止まらず「チャンネーのパイオツ」的なところまで突き進み、当時の少年達は「これファミ通だよな? いい…のか!?」と度肝を抜かれたものなのです。

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そんな自由奔放でルポ漫画には定評のある鈴木みそさんが、人間の欲の塊である“金=銭”を主題にした漫画を書いたらどうなるのか? そりゃもうエグくてバッチリとゴッツイです!

ではここで少しテーマとなった業界をあげてみましょう。
漫画雑誌、ペット、エロ(本)、葬儀、ホストクラブ、カフェそして声優等々と、どうです? なんだか気になるテーマがあるんじゃないですかね? そんなさまざまな職業のディープな「値段」が満載なのです。「え? こんなに!?」だったり、「あ、そんなもんなんだ」だったりと下世話な話かもしれませんが、でも、金勘定の話ってのは興味ありますし、やっぱり実際オモシロイです。

と、この時点ですでにルポ物として十二分な読み応えなのですが、本書の肝であり醍醐味はそこに“ストーリー性=人間ドラマ”を盛り込んだところでありましょう。赤字の漫画雑誌が廃刊にならない訳と単行本の関係、エロ本の購買層の高年齢化、ホストのストローの使用法、売れた声優と芽が出ない声優…なんて具合に、毎回「銭」というメインテーマだけでは終わらない人間模様が織り交ぜられているのです。その結果、ワンパターンな展開に陥ることなくストーリー漫画としても非常に完成度の高い作品に仕上がってます。

いやしかし、お金を稼ぐのに楽な商売なんてないんでしょうなぁ…ま、もしあったとしても僕ぁ小心者なんで(裏がありそうで)近寄れないんですけども!


「エロ本はインターネットに殺されたんだ」…ん~確かにそうかもなぁ

「素人」が「プロ」へと変貌した瞬間

右側の1コマ目…自分が通っていた養成所にそっくり過ぎて驚きました

漫画雑誌の赤字を埋める手段とは?