誰か俺の「やる気スイッチ」を押してくれ! でもスイッチが見つからない…というときに読みたい本

ビジネス

2020/1/14

『すぐやるスイッチ』(尾藤克之/総合法令出版)

 年末年始などの長期休暇は、心や体をリフレッシュさせる素晴らしい機会だ。しかし、多くの人はその長期休暇明けの、休みモードから仕事モードへの切り替えに苦しむ。年始から気持ち新たに、時間を無駄にすることなく、ゴリゴリ仕事を進める方法はないものだろうか?
 
『すぐやるスイッチ』(尾藤克之/総合法令出版)は、そんな正月明けのゆるみきった心をビシッと引き締めてくれる本。著者は、コラムニストであり明治大学サービス創新研究所研究員の尾藤克之さん。かつて議員秘書やIT上場企業の役員を務めた経験もあり多数の書籍を執筆している。
 
 本稿では本書のエッセンスを紹介するので、正月明けの切り替えに悩んでいる方はぜひ参考にしていただきたい。

■集中力を優先するなら、多少の誤字脱字は構わない

 現代のビジネスパーソンは、常に複数の仕事を抱えている「マルチタスク」状態だ。この案件に着手しつつ、あの案件の進捗状況を見極め、さらにその案件の資料を作成して…という具合に、1つの作業になかなか集中できない。この煩雑さは、休みモードから仕事モードへの切り替え中である今の時期にはいっそう辛い。

 マルチタスクの状況では、気持ちが散漫になればなるほど仕事は片づかずにたまっていく。しかし、1日にできる作業量や集中力は限られている。だからこそ、力を入れる作業と手を抜く作業を上手に見極めて、「シフトチェンジ」を図ろう。

 たとえば社内向け資料の作成ならば、多少の誤字脱字は許容範囲かもしれない。得意先や重要な相手“以外”のメールは、少々簡素にしてもいいかもしれない。力を抜けるところではほどほどに、しかし重要なところはしっかり時間と集中力を費やして仕事してみよう。

 また集中力を継続させることも仕事をサクサク終わらせるカギになる。ある作業中に、別の作業が発生しそうなときは、緊急事態“以外”なら待たせる決断も必要だ。作業が分散すると集中力も散漫になる。

 それでも別の案件が気になって仕方なくなったときは、頭によぎったことをメモして脇に置いておこう。そのメモを時系列で整理して期日を設定すれば、どれから順に着手すればいいか一目瞭然になる。目の前の仕事に集中するための土台づくりも、仕事を順調に片づける工夫のひとつだ。

■忙しいときほど、一度立ち止まって整理してみる

「走りながら考えろ!」という言葉は、格言のように世間に広まっている。スピード感を持って決定し、行動することの大切さを訴えるフレーズだ。しかし、本書の著者は、走りながら考えることのリスクを本書で指摘する。

 仕事は日々状況が変化しながら進んでいる。そんな仕事を複数抱えるときほど、走りながら考えていてはミスを生んでしまうかもしれない。時には一度ゆっくり立ち止まりたい。それぞれの仕事の優先順位や時間配分を考えて、最も効率的で効果的な方法を検討するのだ。

■上司からの無茶振りに、適切な対処法はある?

 このほか本書では、議員秘書を務めた経験のある著者ならではの仕事術も紹介されている。例えば、上司から無茶な要求を迫られたときの対処法。議員は、支援者からの要求を“飲まざるを得ない”場面に出くわすこともある。そんなときは、一度「わかりました」と引き受けてしまうのだそうだ。もちろん物事によってはできないこともある。そこで秘書がこう述べるそうだ。

「本当に申し訳ございません。今回は私の力不足でした。私の責任でございます」

 とても普通の謝罪のように感じるが、この答えが意外に効果的なのだとか。その理由はぜひ本書で直接確認していただきたい。

 休み明けで気分が憂鬱だとしても、2020年はすでにスタートを切っている。まだ休みモードでなかなか仕事が思い通りに進まないという方は、気持ちを切り替える「スイッチ」を本書をヒントに探してみてほしい。

文=いのうえゆきひろ