借金の形に身代わり結婚っ!? 大正浪漫あふれる、ときめきストーリー

ライトノベル

公開日:2012/6/2

FCルルルnovels 乙女なでしこ恋手帖 壱

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:深山くのえ 価格:324円

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こんにちは! 誕生日を迎え23歳になったけど、妄想乙女思考は変わらない渡部由佳です☆ 今回は、大正浪漫ときめく少女ノベルズを紹介します。

時は大正3年。公家華族・東明(しのあき)子爵の三女として生まれた千鶴は、生まれてすぐに平民の家・名越家に養女に出され、名越千鶴として育ちます。しかし16歳になったある日、突然東明家に呼び戻されます。平民育ちの娘に対して冷たい実の家族。そして告げられたのは、借金の形として、貸家業を営む「大つき屋」の跡取り息子・大津寄要との結婚! それも、平民育ちの千鶴としてではなく、生粋の令嬢・妹の喜和子のフリをして嫁げというのです。あまりにも無茶な話に反対する千鶴ですが、家計の苦しい名越家への援助を条件に出され、やむなく承諾。大きな不安を抱えながらも、嫁入りすることに…。

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ところが、嫁ぎ先で偶然にも、前に千鶴を助けてくれた親切な青年と再会します。その青年が結婚相手・要であると知り喜ぶ千鶴。しかし、前に抱いた親切な印象とは一変。要の態度は冷たくて…。

この物語の要はなんと言っても、千鶴の結婚相手・要でしょう!(別にダジャレを言いたかったわけじゃないよ) 要は、顔は二枚目だけど、無口で無愛想な性格。親が勝手に決めた結婚ということと、過去にあった「あること」が原因で、嫁いできた千鶴に対して冷たく接します。そんな要となんとか打ち解けたい千鶴も、喜和子のフリをして嫁いでいるので、なかなか上手くいきません。読者としては2人の複雑な状況がわかるので、「早く分かりあえたらいいのになぁ~」ともどかしいです。

だけど、そんな中で垣間見える要の「不器用な優しさ」。 これに最高に萌えました! 「俺はお前を嫁にする気はない」「出ていけ」と冷たく突き放した態度をとりながらも、どこかで千鶴を気にかけていたり、助けたり…。本当は優しい人なのに、不器用に接することしかできない要の様子に、胸がキュンキュンします。「無口な不器用男子」が好きな乙女のツボを確実に捕らえたキャラだと思います。

壱(1)巻では、千鶴と要がお互いの状況を理解しあうまでの話なので糖度は低めですが、弍(2)巻からは甘さがグッとUP! 要の「不器用な優しさ」は、「ぶっきら棒な男らしい優しさ」に変化します(笑)。この変わりぐあいがいいんだ☆「私もこんな旦那様が欲しー!」と世界の中心で叫びたくなるほど、要の優しさに萌えます。なので壱巻を読んだ方は弍巻もぜひ♪

この作品は、弍巻以降もまだまだ続きます。借金の形から始まった2人の結婚生活が、今後どのような甘々展開をみせるのか? ニヤニヤしながら続きを楽しみにしていたい、そんな作品です。


挿絵は、『黎明のアルカナ』でおなじみの藤間麗先生が手がけています

人物紹介図。千鶴と要の以外の登場人物も、この物語にいい味出してます

父親である東明成親からの突然の結婚話!

しかも、妹・喜和子の身代わりとして…

嫁いだ先で会った要は、なんだか冷たい雰囲気。この結婚、いったいどーなるのー?