退職金がない人の「老後破綻」はどう防ぐ? 退職金が出なくても安心できる「お金の貯め方」

ビジネス

更新日:2020/2/3

退職金がでない人の老後のお金の話

著:
出版社:
興陽館
発売日:
『退職金がでない人の老後のお金の話』(横山光昭/興陽館)

 年齢を重ねるたび募る、老後の不安。特にフリーランスや自営業の方は退職金がない老後を想像すると、暗い気持ちになってしまうのでは。そんな方に救いの手を差し伸べてくれるのが、『退職金がでない人の老後のお金の話』(横山光昭/興陽館)。家計再生コンサルタントとしてこれまでに1万5000人を超える人々の家計を立て直してきた横山さんが、老後のお金に関する不安を解消してくれる。

 マネー関連の書籍には堅苦しいイメージがあるかもしれないが、本書ではお金の貯め方、使い方、増やし方が対話形式で解説されており、分かりやすい。

“お金で大事なのは、「どう節約するか」「どう使うか」「どう増やすか」の3つです!”

 そう教える横山さんのマネーテクニックを知れば、今よりもっと安心できる未来が見えてくる。

advertisement

■お金が貯まる「習慣」や「考え方」とは?

 老後に必要だと分かっていても、毎月しっかり貯金をするのは難しい。近年は晩婚化に伴い、親になる年齢が高齢化してきているため、定年退職が差し迫る50代でも子どもの教育費や学費の支払いによって貯金が厳しい人も多い。そんな家庭は、貯蓄分を収入から先取りする「先取り貯金」を検討しやすいが、横山さんは、お金が貯まる方法を日常の中に取り入れることで不安を解消しよう、と提案する。

 例えば時代の流れに乗り、現金ではなく、ポイント還元率のいい電子マネーを利用するのもひとつの手。無駄遣いを減らすには現在使用しているクレジットカードをデビットカードに変更するのもおすすめだ。

 また、行動や習慣を変えるだけでなく、メンタル面の発想転換も重要。定年後も収入を得ようと気持ちを切り替え、生涯現役という生き方を検討していくのだ。生涯現役は一見、大変そうに思えてしまうが、社会との繋がりを実感でき、お金を得られるため理想的な生き方だと横山さんは訴える。なお、定年退職後に現役時代より給与が75%未満に下がった場合は「高年齢雇用継続基本給付金」を貰うこともできるので、制度も賢く活用していこう。

 退職金を貰える人からすると、本書は一見自分に関係のない書籍であるように思えるかもしれない。しかし、会社の倒産や経営不振で退職金が貰えなくなる可能性は誰にでもある。だからこそ、退職金に縋らない生き方や手元の貯金が心もとなくても生き抜いていく方法を知っておこう。お金に関する知識は未来の自分を守る、最大の武器となる。

■国の制度を活用して「老後破綻」を防ごう

 定年が近づくにつれ、心配になるのが「老後破綻」。特にフリーランスや自営業の方は60歳以降、国民年金しか受給できないため、年金制度に対して大きな不安を抱えている人も多いのではないだろうか。

 そんな方に横山さんが提案するのは「付加年金」や「国民年金基金」への加入。「付加年金」とは国民年金の保険料に400円プラスし、年金支給額を引き上げるというもの。対して、「国民年金基金」は加入が任意の公的年金。加入時期やパターンの組み合わせ、口数などを選ぶことができ、掛け金は社会保険料控除の対象になる。こうした制度は自営業の方やフリーランスにとって、強い味方となるのだ。

 また、老齢年金を貰う時期を再検討することも大切。老齢年金の受給開始年齢は原則的に65歳だが、60~70歳までの間で選ぶことができる。しかし、65歳より受給を早める(繰上げ受給)と1カ月繰り上げるごとに年金受給額が0.5%減となり、逆に65歳よりも遅く貰い始める(繰下げ受給)と1カ月繰り下げるごとに年金受給額は0.7%増えることを覚えておきたい。

 何歳から受給すると得するのかは各々の余命によって変わってくるため一概には言えないが、平均寿命を考慮し繰下げ受給することも老後破綻を回避する得策になるのだ。

 横山さんは他にも、医療保険の選び方や「iDeCo」「つみたてNISA」の仕組みも分かりやすく解説。親の介護に直面し、介護離職を考えている方へ向けた現代ならではのマネーアドバイスも行っている。

「退職金は貰えたらラッキー」。読後にそんな余裕が持てるようになる本書は、すべての就労者が手元に置いておきたくなる1冊だ。

文=古川諭香

この記事で紹介した書籍ほか

退職金がでない人の老後のお金の話

著:
出版社:
興陽館
発売日:
ISBN:
9784877232481