中3少年を彼氏にした女教師、ナンパしてきた男性の頭に包丁…ドロドロの情念渦巻く「女性の性犯罪」

社会

2020/2/6

『実録 女の性犯罪事件簿』(諸岡宏樹/鉄人社)

 痴漢をはじめ、男が加害者となる性犯罪が後を絶たない。しかし一方で、現実には女性が加害者になるというケースもある。
 
『実録 女の性犯罪事件簿』(諸岡宏樹/鉄人社)は、タイトルのとおり古今東西に起きた女性による性犯罪の記録をまとめた1冊。生々しい事件の記録の数々は、“事実は小説よりも奇なり”を体現しているかのようだ。

■教え子との“純愛”に惑わされた女性音楽講師

 1999年6月。名古屋市内の公立中学校に派遣された元音楽講師の女性が、教え子である3年生の男子生徒と“みだらな行為”をしていたことが分かり、逮捕された。当時新聞でも報じられ話題になった事件だが、本書では、のちに“純愛”が認められ不起訴になったとされている。

 関係者の証言によれば、元講師“H”さんは病気で長期療養が必要となった音楽教師の代理として、学校へ赴任した。期間はわずか1カ月だったが、その間に彼女は、イケメン不良少年の“S”君と知り合った。

 学校への赴任中には、生徒たちを引き連れ焼肉店やカラオケボックスへ足を運ぶ姿が目撃されていたHさんだったが、S君の親友を名乗る男性は、2人がどのように愛を育んでいったのかを本書の中で証言している。

「最初はSの方が先生に『好きだ』『好きだ』って言ってたのよ。そこから付き合いが始まったんだけど、だんだん先生の方がSのことを好きになっちゃって…。Sが先生から逃げようとすると、『もう死にたい』と僕の携帯に先生から電話がかかってきた。
そんな頃にSがバイクを4台盗む事件を起こして、鑑別書に行かされた。その流れで先生のことが警察にバレたんだと思う。先生がSの家に行ったとき、Sの親父さんが突然帰ってきたことがあって、先生は『16歳の女子高生です。名前は木村ユカです』なんて言っていた。Sと先生のセックスについては何も言いたくない。それを言うと、Sがかわいそう」

 警察筋から新聞記者へ漏れた情報によれば、Hさんは1カ月の赴任を終えたあとも教え子たちと交友を続け、その後もS君の自宅やホテルで密会しては肉体関係を続けていたという。

 のちにS君が関係を拒否しようとしてもなお、自宅へ押しかけ玄関前で「話がしたい」「殺して!」と泣きわめいていた彼女は、はたして加害者だったのか被害者だったのか…第三者が確かめるすべはない。

■路上での“ナンパ”が凄惨な事件へと発展

 風俗や援助交際で稼いでいた25歳の“E”は、ネット掲示板に「いじめられたい人募集」と書き込み、ドM体質の客ばかりを相手にしていた女性。彼女がある日、路上で出会ったのが、のちに被害者となる66歳の男性“Y”。援交客に待ちぼうけを食らったEに、彼が「明日の昼までなら家にいていいよ」と声をかけたのが、事の発端だった。

 自宅に招かれたEが横になっていると、欲情に負けたYが関係を迫るも、「ちょっとジイさん、何やってるのよ!」と拒んだ彼女。タダで自分の身体を触ってきたYに対してはらわたが煮えくり返った彼女は、慰謝料をむしり取ってやろうと決意する。

 その後、Yと同じく路上で知り合ったという29歳の男性“S”と援交仲間であった21歳の女性“M”と共謀し、彼女はY宅への奇襲を決行。事件当日の未明、金を払えと3人がけしかけるも、「好きなようにせえ」とYが開き直った矢先、カッとなったEは台所にあった2本の包丁を握り、Yの頭に何度も刃を振り下ろした。

 通報されることを恐れた3人は、Yの手足を縛り上げ車で拉致。瀕死の状態のようにみえたことに怯え、3人は人目の付かない道路脇でYをおろし、最後に、Eがトドメとばかりに腹へ包丁を投げつけた。

 しかし、「もしかしたらジジイは死ぬかもしれない…」と動揺していたSが帰り道で事故を起こしたことで、駆けつけた警察により事件が発覚。のちに裁判所は「被害者の頭を包丁で切りつけて数十針のケガをさせた上、車で16時間も監禁し、放置した。反抗結果は重大」として、Eに懲役6年を言い渡した。

 本書に収録されたエピソードの数々を読むと、人間の“業”とはいかに深いものかを痛感させられる。性に関わる犯罪からは、とりわけ私たち人間が持つ本来の“欲”や“醜さ”がにじむようだ。そこに男女の違いはないのかもしれない。

文=青山悠