やるべきことを後回しにしてスケジュールが守れない…優先順位の付け方がわからなくなる…仕事の悩みを周りに相談できないあなたへ
公開日:2020/2/10
社会人になってから、余裕をもって仕事の締め切りを迎えられたことがない。朝、一日のタスクを確認したときには「いける」と思っているのだが、それは不確定要素のないプランだ。上司からの新たな頼み事、取引先との認識違い、法務や経理からの思わぬ指摘…。ハッと気づいたときには、もう定時を過ぎている。
こうした社会人の悩みは、いってみれば「ありがち」なものだ。毎日何千万人が働いているのだから、悩みのパターンは出尽くしている。本書『実は、仕事で困ったことがありまして 人材育成のプロが教えるストレスフリーに働く「問題解決力」』(寺下薫/大和書房)は、仕事における20の典型的な課題を取り上げ、その解決法を一緒に考えてくれる。著者は、ヤフーやソフトバンクで課題解決や人材開発に従事してきた寺下薫氏。彼の基本的な考え方は次の通りだ。
問題の背景を洗い出す
→ゴールを設定し、問題の整理を行う
→問題の全容を見える化し、真の原因を追究する
→解決策を出す
これが著者が示す「鉄則フロー」。つまり、その場その場で起きている問題に対処するのではなく、真の原因を突き止めて解決せよということである。
■提出物の締め切りが守れない、残業がなくならない そんなあなたに必要なのは…
報告書や企画書、議事録などの提出物。どうやって優先度をつけるべきだろうか。緊急度の高いものから取り組む人が多いが、著者の考えは少し違う。緊急度だけを考えていると「緊急度が低く、重要度の高い案件」がおろそかになってしまうのだ。そういう案件を締め切りギリギリまで引きずると、質が落ち、最悪の場合締め切りに間に合わなくなってしまう。本当に今やるべき案件以外は、重要度の高いものから取り組もう。
■がんばっているのに評価されないのはなぜ?
会社の評価は、完全に公正なものにはならない。ときには不満に思うこともあるだろう。だが、より適切な評価をしてもらうために、できることはある。それは「上司との擦り合わせ」だ。目標設定や中間報告をする際、会社や上司から求められていることと、これから自分がやることをきちんと擦り合わせよう。事前に「〇〇について××を達成すればB評価」レベルまで具体化しておけば、評価の納得感は増すはずだ。
本書には他にも「嫌な仕事から逃げてしまいそうになる」「嫌いな上司で困っている」「目標への執着心がない」など20のトピックを掲載。これまでに寺下氏がみてきた1万5000のトラブルは、基本的にこの20パターンに分類できるという。その中に、きっとあなたの悩みもあるはずだ。
文=中川凌
レビューカテゴリーの最新記事
今月のダ・ヴィンチ
ダ・ヴィンチ 2024年4月号 日本酒のそばにある物語/鈴木おさむ
特集1 一合の“宇宙”から生まれる 日本酒のそばにある物語/特集2 辞めたその先に見えてくるもの 鈴木おさむと拓く、新しい道 他...
2024年3月6日発売 価格 770円
人気記事
-
1
-
2
-
3
-
4
-
5
人気記事をもっとみる
新着記事
今日のオススメ
-
連載
朝日新聞社社長 政治の裏金問題が起きた今こそ読み返す“ジャーナリズムの原点”。創刊150年に向けて「新聞社としての自負」を語る【中村史郎・私の愛読書】
-
インタビュー・対談
芸人・漫画家 矢部太郎に大家さんが渡したプレゼントは「ウォシュレット」。これまでもらったもの、あげたものについて考えさせられる新刊インタビュー
-
レビュー
「世界一」になった栗山英樹が強運を掴んだ理由。大谷翔平の二刀流も実現させた、開運のメソッドとは?
PR -
レビュー
誰でも簡単に太ももパンパンを解消できる!? 驚きのやせ骨格ストレッチとは?
PR -
インタビュー・対談
旅するカップルYouTuber・サニージャーニー、活字で届けた“すい臓がん”闘病の「リアル」
電子書店コミック売上ランキング
-
Amazonコミック売上トップ3
Amazonランキングの続きはこちら -
楽天Koboコミック売上トップ3
楽天ランキングの続きはこちら