昭和生まれの人! この超名作、いまこそ読み直す時期!!

公開日:2012/6/3

あしたのジョー (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:高森朝雄画 価格:432円

※最新の価格はストアでご確認ください。

漫画は幼少~青春期の音楽同様、生活の一部と化していたアイテムなのですが、海外在住以来手に入りにくかった時期もあり、すっかりご無沙汰しています。が、電子書籍なら懐かしいあの作品もこの作品もカンタンに手に入るのが素晴らしい。そして本棚を占領せずとも続き物を安心して買い続けられるのも大きな魅力でしょう。

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「立て、立つんだ、ジョー!」。
この名セリフが頭に響いて購入した「明日のジョー」。テレビ漫画にもなった名作ですが、第一巻を読んのかどうか記憶にないほど昔のことです。そんな懐かしい1冊が数秒で手に入るインターネットの威力もまざまざと実感しながら、購入。そして、あの頃「生活の一部」となっていた漫画の存在を思い出しました。

なんという画力。なんという設定。なんという迫力。単なる「貧乏人のサクセスストーリー」という型からは大きくはみ出し、人生哲学になるほどに熟成した作品だったのだと、大人になって読んでみて初めてわかった気がします。

ことにちばてつや氏の筆の力がすごい。人物の動きもコマ割も、セリフも効果も、柔らかな水の流れを見るような自然さとエレガンスさで、2ページも読めばすっかり私もドヤ街の住人に。人物の描写、キャラクター設定も素晴らしいです。アル中まがいの落ちぶれた元ボクサー丹下段平のリアル感、ささくれだってワルだったジョーもまったく忘れていました。

iPhoneの中に繰り広げられる人間模様に没頭すること10分。あっという間に読了。あっけないほどカンタンに私の昭和が戻ってきた感覚にしばし呆然。名作とは最初の1ページ目から名作なんだなぁと感動に浸り、もう一度読み返してみたり。多くの漫画家の目指すものとなった碑石のような1冊。まずはうちの長男に読ませようと思います。400円でこれだけ学べ、感動できる、やっぱり漫画ってすごいです。


丹下段平登場シーン。おっちゃんとの出会いはこんなだったんですね

しょっぱなからジョーは強かった

全編殴ったり殴られたりしてるだけなんですが、どうしてこんなに感動できるの!

激しい喧嘩の中の現れる突然の「間(ま)」。さすが巨匠の画力。ジョーかっこよすぎ! (C)高森朝雄・ちばてつや/講談社