黒ばかり着ているとコミュ障になる? 色彩心理から考える「黒」の深い話

暮らし

公開日:2020/2/28

『なぜ、あなたは「黒い服」を着るのか 人生が変わる色の魔法』(佑貴つばさ/マキノ出版)

 20代後半、黒い服ばかり着ていた。黒のワンピースに黒のジャケット。黒の靴に黒のバッグ。友人たちには「喪服みたい」と笑われていたが、それでもなにかに取り憑かれたように黒ばかり着ていた。そして30代後半になったいま、黄色の虜である。黄色いサンダルを履くとまるで幸福への階段を上っているような気分になるし、黄色いニットなんかも幸せオーラが出ていい感じだ。

 三十路手前のわたしは仕事がうまくいかず、結婚への焦りもあり、この先どうやって生きていけばよいのか不安で仕方がなかった。しかし30代に入ると仕事が軌道に乗り始め、結婚についても楽観的に考えるようになり、徐々に人生を楽しめるようになっていった。こうした心境の変化が、着る服の色に如実に表れたのだろう。『なぜ、あなたは「黒い服」を着るのか 人生が変わる色の魔法』(佑貴つばさ/マキノ出版)を読むと、色がわたしたちの心に与える影響の大きさに驚かされる。

 著者はシャネルの元マネージャーであり、色彩心理カウンセラー。「色とココロのコンシェルジュ」として、輝きたい女性たちをサポートしている。著者曰く、ある色に惹かれているとき、その色のイメージや意味に、意識では気づいていない部分で心が動かされているという。例えば、なぜわたしはかつて黒ばかり着ていたのか。その理由も、黒という色のイメージや意味の中に隠されていると言える。

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 黒は、人が目にする色の中で最も暗く、最も重く感じる色。着る服の色は潜在意識に強い影響を与えるため、「黒を着ている自分」は、「いつも気持ちを抑えている自分」や「心のずっしり重い自分」として、潜在意識にインプットされてしまうという。「無難だから」という理由で黒い服を着るのは危険だ。そもそも黒は本当に無難な色なのだろうか。著者は「黒は、どんな色より強くて頑固で、気高さを感じさせる特別な色。実は、大人の女性にとって、黒ほど着こなしの難しい色はないのです」と述べる。

 大人の女性は、安易に黒に頼ってはいけない。その理由は4つあるという。【1、シミ・シワ・クマを目立たせる。顔を険しく見せる。2、自身全体の雰囲気を重たく見せる。3、無意識に、人と距離を置いてしまう。4、自分の気持ちを抑えてしまう。】

 とくに興味深いのが、3つ目の理由だ。着慣れているからという理由で黒ばかりを毎日のように着ていると、人と距離を置きすぎてしまったり、孤独感が増したり、考えが頑固になりすぎたり、あるいは自分の感情を抑えてしまうことにもつながっていくという。黒ばかり着ていたら、知らず知らずのうちにコミュ障になっていた……なんてことにもなりかねない。

 それでは、どんな色を身に着ければ、なりたい自分に近づけることができるだろうか。ぜひ本書を手に取ってほしい。「色を味方にすれば人生はいまよりも輝く」と確信できるはずだ。

文=尾崎ムギ子