猫背、スマホ首、足組み…あなたのラクな姿勢は大丈夫? 自宅でできるエクササイズが肩こり、疲労に効果あり!

健康・美容

更新日:2020/3/6

『新しいピラティスの教科書』(石部美樹:著、石垣英俊、高橋なぎ:監修/池田書店)

「何となくいつも体がだるい」「年齢とともにぽっこりお腹が気になってきた」「腰や膝に痛みを感じる」「肩こりがひどい」。このようなお悩みを一気に解決できるメソッドが「ピラティス」です。

「ピラティス」は、体の正しい使い方を学ぶことで、体のバランスを整える運動です。猫背や脚組み、スマホ首など、無意識のうちにしてしまっている体に負担のかかる姿勢を改善します。日常動作でも意識して体を動かすようになると、筋肉が必要な分だけ発達して体を支えてくれるようになるので、自ずと美しくメリハリのあるボディに変化。余計な力を使わないので立ち振る舞いも美しく、疲れにくくなっていきます。体が整えば心も健やかに整っていくもの。不調や悩みの多いあなたの体と生活を“いいサイクル”に変えていくことができるのです。

猫背などの“体のねじれ”は、呼吸が浅くなって体の不調を招くだけでなく気分も憂鬱に。スマホを見たり頬杖をついたりして頭を前に出す姿勢は重心が前にずれるため、後ろに引っ張る力が働いて肩こりや腰痛の原因に。このような無意識の動作を改善して、健やかな体と心を目指しましょう。

 このピラティスについて、しっかりと学べる1冊が『新しいピラティスの教科書』(石部美樹:著、石垣英俊、高橋なぎ:監修/池田書店)。体の仕組みの解説やピラティスの理論を簡潔・丁寧に説明し、基本をすべて網羅。エクササイズも豊富に紹介されているので、入門にぴったり。

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ニュートラル・ポジションと呼吸法を知る

 ピラティスに興味が出てきたら、まずはピラティスの理論を学びましょう。本書によると、正しく体を使うためには、まず正しいニュートラル・ポジションを取るところから。ピラティスでは骨盤、背骨、肩甲骨、首、肋骨が正しい位置にあることをニュートラル・ポジションと呼びます。

すべての軸となる背骨の感覚を掴みましょう。頭にリンゴをのせて歩くときの背中の筋肉の緊張した感覚が、背骨の自然なカーブを保ち、正しい姿勢をキープするときの筋肉の使い方。

次に、骨盤や肩甲骨、首、肋骨の感覚を掴みましょう。骨盤の場合、あおむけや座位で力を抜き、骨盤を前傾・後傾させて動きを捉えます。

ピラティスでは「骨盤ニュートラル」を取るのが基本。腰骨の前側、左右の出っ張った骨の部分(上前腸骨棘)と下腹部の一番下にある骨(恥骨結合)が、立っているとき/座っているときは床に対して垂直、あおむけのときは平行な状態を保ちましょう。座位の場合は、肩のラインも揃えて。

 ニュートラル・ポジションを捉えたら、次は胸式呼吸を習得。お腹は固めたまま、胸郭は最大限膨らませる「呼吸による筋肉運動」を意識し、これにエクササイズを重ねていくことで体幹が鍛えられます。

背骨の準備運動をしたら、気になる部位のエクササイズを!

 このように体の部位ひとつひとつの動きを意識しながら、エクササイズを行っていきます。エクササイズ中も忘れてはいけないのが、背骨を「伸張」させること。これを「エロンゲーション」と呼びます。

背骨を構築している椎骨のひとつひとつ、その間を伸張させることを「背骨のエロンゲーション」といいます。本書ではエロンゲーションを保ちやすいよう、背骨周りの筋肉をほぐす準備運動を毎日行うことを推奨。

 背骨周りをほぐしてから、気になる部位別のエクササイズへ。お腹、背中、股関節、お尻、太もも、わき腹、胸、肩甲骨の8箇所から選べます。体幹強化、下半身強化などエクササイズを組み合わせたワークも掲載。

お腹のエクササイズ「ダブル・レッグ・リフト」。簡単な動きですがしっかりと呼吸とポジションを意識しながら行うとガツンと「効いている!」感覚が得られます。

 著者のピラティスインストラクター石部美樹さんは、ピラティスをはじめる前は長時間寝ないとすぐに疲れてしまう体質だったとか。ピラティスは運動習慣がない人でも、何歳からでもはじめられる運動です。本書をきっかけにピラティスをはじめれば、疲れにくく軽やかで美しい体、折れない心が手に入ること請け合いです。

文=箕浦 梢