大河ドラマ『いだてん』の国旗考証&登場人物が監修! 表と裏で違うデザインの国旗はどこの国?

暮らし

2020/3/27

『そんなわけで国旗つくっちゃいました!図鑑』(吹浦忠正:監修、粟生こずえ:文、なかさこかずひこ!:構成・絵/主婦の友社)

 子どもの頃、国旗を眺めるのが大好きだった。国旗の種類やそのテイストは実にさまざまで、眺めていて飽きない。また、国旗に込められた深い意味を調べることで、その国に対して何か特別な親近感が湧くこともある。

『そんなわけで国旗つくっちゃいました!図鑑』(吹浦忠正:監修、粟生こずえ:文、なかさこかずひこ!:構成・絵/主婦の友社)は、世界中の国旗のデザインを解説する1冊だ。各国の旗の特徴と、その意味や由来となるストーリーなどが詳しく解説されている。

 本書の監修をつとめる吹浦忠正氏、実は国旗研究の世界の凄い人なのだ。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』では国旗考証を担当し、また青年期のご本人が作中にも登場している。日本で開催された過去3回のオリンピック全てに直接かかわり、現在は次期オリンピックのアドバイザーもされているのだという。

宇宙の成りたちと調和――韓国

 我々が普段目にすることも多い、おとなり韓国の国旗「太極旗(テグキ)」。見慣れたデザインだが、注意深く眺めてみると、なかなか独特な柄であるように思えてくる。この旗には、人間が生きるうえで大切な「ものの考え方」が示されているのだとか。

 宇宙を意味する真ん中の丸は、「陽」の赤と「陰」の青が調和する様子が表されている。積極と消極、善と悪、昼と夜、男と女など、対を成す概念がバランスをとって成りたつ、といった思想だ。周りの4つの印には、東西南北、春夏秋冬、老若男女などの意味もあり、多様なものの調和を意味するようだ。

 よく見る韓国の国旗だが、そこに込められた深い意味を知ることで、今まで以上に親しく感じられる。

世界でもっとも古い国旗のひとつ――デンマーク

 世界でもっとも古い国旗のひとつとされる、北ヨーロッパはデンマークの「ダンネブロ」。今から約800年前に誕生し、今日まで一度もデザインが変わっていないというから驚きだ。戦いの最中に天から降ってきたという伝説が残っているのだそう。

 中心が左に寄った十字は「スカンディナビア十字」として親しまれており、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーなど北ヨーロッパ諸国の国旗のお手本になっている。

 ちなみにデンマークは、みんなが大好きなレゴブロックのふるさとでもある。

裏表で違うデザイン――パラグアイ

 南米大陸に位置するパラグアイの国旗は、なんと表と裏でデザインが異なるという、非常に珍しいタイプだ。

 表の国章の黄色い星は、スペインからの独立を記念したもの。そして裏面は、国の金庫の紋章になっている。描かれたライオンが何を守っているのかというと、それは「自由の帽子」。独立して自由を得た人々のシンボルを守っているのだ。

 スポーツ観戦のとき、もしかするとパラグアイの国旗が掲げられ、風ではためくかもしれない。その時には注意深く裏と表のデザインを観察してみたいものだ。

貴重な水と民族の調和――ボツワナ

 アフリカの内陸国であるボツワナは、国土の大半が砂漠であり、水は非常に貴重な資源として大切にされている。そのため国旗には、空・水・希望を表す水色が使われている。

 中央の黒い線は、国民の大部分を占める黒人を、両脇の白線は国民の1%ほどの白人を表し、人種の垣根を越えた協力と平和が願われているのだとか。資源と平和。とても素敵な国旗だと感じる。

 上で紹介したのは一部に過ぎないが、本書ではさまざまな国旗の成りたちがわかりやすく解説されている。デザインと国名をやみくもに暗記するよりも、その意味を知るほうが結果的には覚えやすく、さらにその国に対して親しみも湧いてくることだろう。

 本書は子どもにもわかりやすく、また大人でも地理や世界史の再学習が楽しくできる。親子で国際イベントやスポーツ観戦の際にも活用でき、一層盛り上がること間違いなしだ。

文=K(稲)